孤城[語句情報] »
孤城
「孤城〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
孤城の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
一 「ことしの残暑は随分ひどいね」 お絹《きぬ》は楽屋へはいって水色の※※《かみしも》をぬいだ。八月なかばの夕日は
孤城を囲んだ大軍のように筵張《むしろば》りの小屋のうしろまでひた寄せに押し寄せて....
「自転車日記」より 著者:夏目漱石
知己《ちき》の語にあらず、その昔本国にあって時めきし時代より天涯《てんがい》万里
孤城落日資金窮乏の今日に至るまで人の乗るのを見た事はあるが自分が乗って見たおぼえ....
「十万石の怪談」より 著者:佐々木味津三
松平容保が薩長の執拗な江戸追討を憤って、単身あくまでもその暴虐横暴に拮抗すべく、
孤城若松に立て籠ってから丁度六日目のことだった。勿論、その討伐軍は大垣、筑紫の両....
「緑衣人伝」より 著者:田中貢太郎
、人民がその悪法に苦しんだので路傍へそれを謗った詩を題した者があった。 嚢陽累歳
孤城に因る 湖山に豢養して出征せず 識らず咽喉形勢の地 公田|枉げて自ら蒼生を害....
「大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
図が見出だされるのだと思う。 例えば、 坪内逍遥氏の「桐一葉」、或は「沓手鳥
孤城落月《ほととぎすこじょうのらくげつ》」とか、 その他、 真山青果氏の維新....
「創生記」より 著者:太宰治
かく秘め置きし、かの、それでもやっと一つ残し得たかなしい自矜、若きいのち破るとも
孤城、まもり抜きますとバイロン卿に誓った掟、苦しき手錠、重い鉄鎖、いま豁然一笑、....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
て勝味は無い。特《こと》に秀吉の軍略に先手先手と斬捲《きりまく》られて、小田原の
孤城に退嬰《たいえい》するを余儀なくされて終《しま》って居る上は、籠中《ろうちゅ....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
愚衆を相手にするに反して、他方はセクトのものだというに過ぎないのである(純文学の
孤城を守ろうというようなヒロイズムは、物質的にはそれ自身純文学の文学的衰亡をしか....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ろが、おそい来るべきはずの敵が容易に来ない。一陣を斬りくずして、余れる勢いでこの
孤城に殺到して来るべきはずの敵が、なかなかに来ないのであります。 「久助さん……....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
の調子で、象牙彫りは一世を圧倒するの勢いでありましたが、それに引き代え、木彫りは
孤城落日の姿で、まことに散々な有様でありました。 されば、その頃、この流行を逆....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
誰か知らん一滴黄金水 翻つて全州に向つて毒を流し来る 里見義実 百戦
孤城力支へず 飄零|何れの処か生涯を寄せん 連城且擁す三州の地 一旅俄に開く十匹....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
して、絶えず指導的の論評を試みていたばかりか、みずから進んでかの「桐一葉」や、「
孤城落月」や、「牧の方」などの史劇を発表した。これらの諸作はすこぶる世間の注意を....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ット人の事としてみなその猜疑心に駆られてからして、私はほとんど沢山の敵の中に独り
孤城を守って居るような姿になって来たです。
私も危く感じましたからたちま....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
るに、到底、進んで当時の学術と論壇に理鋒を争うことあたわざるを知り、退いて道徳の
孤城を守り、落日残灯の下に往時の隆盛を追懐してやまざるがごとし。ドイツ、イギリス....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
一回の試演を催す。土肥春曙、東儀鉄笛、水口薇陽ら出演。狂言は新作の「妹背山」と「
孤城落月」の糒蔵。 ○三月十一日、四代目岩井松之助、北海道の旅興行中に死す、四十....