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「孤愁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

孤愁の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
草枕」より 著者:夏目漱石
入霞微。停※而矚目。万象帯晴暉。聴黄鳥宛転。観落英紛霏。行尽平蕪遠。題詩古寺扉。孤愁高雲際。大空断鴻帰。寸心何窈窕。縹緲忘是非。三十我欲老。韶光猶依々。逍遥随物....
思い出す事など」より 著者:夏目漱石
緲玄黄外。 死生交謝時。 寄託冥然去。 我心何所之。 帰来覓命根。 杳※竟難知。孤愁空遶夢。 宛動粛瑟悲。 江山秋已老。 粥薬※将衰。 廓寥天尚在。 高樹独余枝....
道標」より 著者:宮本百合子
の下の寝台で磯崎が死んでいる。パリで、子供を死なせ、重ねて磯崎に死なれた須美子の孤愁は、伸子の身までを刻むかのようだ。そのような須美子に向って伸子はひたむきな心....
ジイドとそのソヴェト旅行記」より 著者:宮本百合子
イにおける生産力の横溢と転身の自覚。彼に「パリュウド」をかかしめた、パリ帰来後の孤愁と象徴派との別離。結婚生活の重荷が反映している「背徳者」、それから六年間も間....
丹下左膳」より 著者:林不忘
《ぶぜん》として腕を組んだ栄三郎の前に、番《つがい》を破られて一つ残った坤竜丸が孤愁《こしゅう》を託《かこ》つもののごとく置かれてあるのを見すえている。 遠く....
悲しい誤解」より 著者:豊島与志雄
然し、それは誰の体温でもよかったのだ。彼女の体温とは限らないのだった。ただ然し、孤愁の底に沈んでる心の思いを打ち明けるのには、彼女が最も恰好な相手だったろう。あ....
聖女人像」より 著者:豊島与志雄
見ていると、花の憂愁とも言えるものが心に通ってくる。――花の憂愁、いや、私の心の孤愁なのであろう。 私は酔うと、ひどく酔うと、頭脳が硬ばってくるのを感ずること....
新西遊記」より 著者:久生十蘭
大きな町を過ぎ、十二月二十七日、ギャトーに着いた。石造の家が多く、風俗も都風で、孤愁にみちた北西原の旅も終りになりかけている感じだった。ムヤツォという人を探して....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
してあった。 「老母というものはよいものだ。自分にも母があったら」 武蔵はふと孤愁に囚われて、これから生きて行こうとする生涯を、心の中で遥かに描いてみる。 ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
した武蔵の栗色の皮膚には、黒い汗がりんりと流れ出した。この日頃からの惰気、倦怠、孤愁などはみな汗となって流れるかのようだ。 彼は昨日の未明、一個の農民で終った....
私本太平記」より 著者:吉川英治
りも力としていた南の探題時益の落命を途中にみてから、越後守仲時のすがたにも一そう孤愁の影と悲壮が濃かった。しかも従う兵は、半分以下にまで減っている。 が、その....