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「孤独感〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

孤独感の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
器楽的幻覚」より 著者:梶井基次郎
とを知らず、またそんななかに陥っている自分に気がつかない。――ちょうどそれに似た孤独感が遂に突然の烈しさで私を捕えた。それは演奏者の右手が高いピッチのピアニッシ....
」より 著者:岡本かの子
ないことにしていた苦労のようなものがあって、孤独な感じはあったが、ある程度までの孤独感は、家の中の父母の間柄からも染みつけられていた。父と母と喧嘩をするような事....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
感があった。中央の喧騒を批評的に見渡して自分たちの場席を顧みると、頼母しい寂しい孤独感に捉えられた。 かの女は、むす子が眼をやっている間近の柱の絵を見上げて、....
千早館の迷路」より 著者:海野十三
わたくしも先生のお伴をして、捜査に従事したいんです。さもないとわたくしは、不安と孤独感とで気が変になってしまうでしょう。ね、先生、お連れ下さいますわね」 カズ....
次郎物語」より 著者:下村湖人
こそこそと相談しあっているのではないかと疑ったりした、こうして彼の幼いころからの孤独感は、ますます色が濃くなっていくのであった。 そろそろ夏が近づいて来た。あ....
私の葬式」より 著者:坂口安吾
つまされたことがあった。 もっとも、人は病気になり高熱になやむときには、幻覚と孤独感に苦しめられ、非常に人がなつかしくなるもので、病床の身辺に誰かゞいて起きて....
反スタイルの記」より 著者:坂口安吾
焼い弾がガラ/\やるのを軒の下からながめて、四方の火がだん/\迫ってくるのを変な孤独感で待ちかまえていたのである。 ★ ホープの編集記者の....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ちが居なかった。 私自身が田中と同じ中毒を起こしたことがあるから、よく分るが、孤独感に、参るのである。ほかに理由はないが、孤独感から、ツイ生ききれない思いで、....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
い。何か、親しいものに会いたいのだ。彼が何より怖れているのは孤独なのである。この孤独感の切なさは、病気になってみないと見当がつかないぐらい、切ないものだ。四十度....
裏切り」より 著者:坂口安吾
らえられてしまったのか、この軽さ、親しさ、解放感、心ゆくまで胸いっぱいの爽やかな孤独感、それらの楽しさを今まで思いだせなかったのがフシギでした。セラダの妙に鼻に....
英彦山に登る」より 著者:杉田久女
きている息づまる様な人間界の圧迫感もここではなく、大自然の深い呼吸の中に絶対の!孤独感を味わう。だが彦山を歩いている時の私は、何のくらさも淋しさもない。魂の静か....
荒磯の興味」より 著者:佐藤惣之助
になった気持である。第二は陸と海の境界線に立って、自分も同じ生物として生きている孤独感で、いかにして魚を釣るかという喜悦と祈願に似た感情である。第三はいざ目的の....
悲願に就て」より 著者:坂口安吾
たいがこの漠然とした悲願、直接に何を祈り何を求めるという当てさえもない絶体絶命の孤独感のごときものだが、これは数十世紀の人間精神史と我々の真実の姿とのあらゆる馴....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
しげな鳴声がし始める。 文麻呂 (独白)風か!……… 文麻呂は何やら急に耐え難い孤独感に襲われるのであった。懐より横笛を取り出して、親しい「曲」を奏し始める。澄....
ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
々しくてならなくなった。が、流石に少し女を憐れむ気持ちがイベットに離れて居る彼の孤独感に沁みもした。で、仕方無しにまた彼は此処へも女について入った。 恐ろしく....