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孤軍
「孤軍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
孤軍の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
も来たように驚いて、急いで眼窓《めまど》から顔を引っ込めて、強敵に襲いかかられた
孤軍のように、たじろぎながらまたソファの上に臥倒《ねたお》れた。頭の中は急に叢《....
「明暗」より 著者:夏目漱石
急に心細くなった。知らないうちに重囲《じゅうい》のうちに自分を見出《みいだ》した
孤軍《こぐん》のような心境が、遠くから彼女を襲って来た。彼女は周囲《あたり》を見....
「野分」より 著者:夏目漱石
》を揮《ふる》って、打ちのめさるるがごとき心地がする。高柳君はこの園遊会において
孤軍重囲のうちに陥ったのである。 蹌踉《そうろう》としてアーチを潜《くぐ》った....
「島原の乱」より 著者:菊池寛
、勝てば功は忠茂に帰し、敗るれば罪我に帰すとして兵を出そうとしない。重昌は忠茂の
孤軍奮闘するを危んで、退軍を命ずるが、土民軍に軽くあしらわれた怒りは収らず、なか....
「運命」より 著者:幸田露伴
から之を為せと。此時や燕の軍の勢、実に岌々乎として将に崩れんとするの危に居れり。
孤軍長駆して深く敵地に入り、腹背左右、皆我が友たらざる也、北平は遼遠にして、而も....
「正義と微笑」より 著者:太宰治
の味方は、お母さんに、チョッピリ女史。鈴岡さんの味方は、兄さんひとり。兄さんは、
孤軍奮闘の形だ。兄さんは、このごろ、とても機嫌が悪い。夜おそく、ひどく酔っぱらっ....
「李陵」より 著者:中島敦
北行すること三十日。朔風《さくふう》は戎衣《じゅうい》を吹いて寒く、いかにも万里
孤軍来たるの感が深い。漠北《ばくほく》・浚稽山《しゅんけいざん》の麓《ふもと》に....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
と竜之助が、軽くさばくのを、北原がつり込まれて、
「何事でもです、幕府を敵として
孤軍報国のあの義戦に加わろうというのは、赤心鉄腸を備えた勇士でなければできないこ....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
た有様を日記で読むと、昔ホーヘンスタウフェン末路の皇族らが、イタリア恢復のために
孤軍をもって見込なき戦闘をやったのと相対比して、無限の興味をひき起こさしめる。他....
「中庸」より 著者:坂口安吾
「君は手弁当で村のために献身する人ではないか。別して、学校再建のためには人知れず
孤軍奮闘している人だ。学校再建のためにすでに相当の私財をそそいでいる筈ではなかっ....
「影のない犯人」より 著者:坂口安吾
蔭流の極意によって、狂六はジリジリと追いつめられ、危機打開のために、イヤでも彼が
孤軍フントウ立向わねばならないようになってしまった。そこで狂六は光一に手引きして....
「九段」より 著者:坂口安吾
てやると、「ア、シマッタ」と呟く式の稽古ぶりである。しかし尚もひるむところはなく
孤軍フントウ稽古をつづけているところ、見かけとちがってオカミサンは剛気であり、大....
「瘤」より 著者:犬田卯
あるらしかったが、――これとて未だ海のものか山のものか分りはしない。 結局、「
孤軍奮闘」は覚悟しなければならない状態だった。田辺定雄とて、それは最初から――出....
「審判」より 著者:カフカフランツ
に驚きはしましたが、人間三十にもなると、そして、私がそういう運命にあったように、
孤軍奮闘しなければならなかったとすると、驚きなんていうものには鍛えあげられ、たい....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
らずの攻撃をきたし、一方よりは理学者、哲学者より、これ真理にあらずの駁論を招き、
孤軍両敵の間に介立し、四面援声をなすものを見ず。その欧米諸州に振るわざるは誠に理....