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「孤高〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

孤高の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
兄たち」より 著者:太宰治
は鬼面毒笑風《ビュルレスク》を信奉している様子らしく、むやみやたらに人を軽蔑し、孤高を装って居りました。長兄は、もう結婚していて、当時、小さい女の子がひとり生れ....
風の便り」より 著者:太宰治
、自分は少しもあてにして居りません。ろくな仕事もしていない癖に、その生活に於いて孤高を装い、卑屈に拗《す》ねて安易に絶望と虚無を口にして、ひたすら魅力ある風格を....
古典風」より 著者:太宰治
せに気がつかないくらいに仕合せであった。兄は、一点非なき賢王として、カイザアたる孤高の宿命に聡《さと》くも殉ぜむとする凄烈《せいれつ》の覚悟を有し、せめて、わが....
虚構の春」より 著者:太宰治
、おのれも某伯、某男、某子等の知遇を受け、熱烈な皇室中心主義者、いっこくな官吏、孤高|狷介《けんかい》、読書、追及、倦《う》まざる史家、癇癪持《かんしゃくもち》....
如是我聞」より 著者:太宰治
い。 今月は、この男のことについて、手加減もせずに、暴露してみるつもりである。孤高とか、節操とか、潔癖とか、そういう讃辞を得ている作家には注意しなければならな....
きりぎりす」より 著者:太宰治
の新聞には、何だか恥ずかしくて言えないような最大級の讃辞が並べられて居りました。孤高、清貧、思索、憂愁、祈り、シャヴァンヌ、その他いろいろございました。あなたは....
徒党について」より 著者:太宰治
るがごとき勝利にもなるだろうが、文学の場合に於いては少しちがうようにも思われる。孤高。それは、昔から下手なお世辞の言葉として使い古され、そのお世辞を奉られている....
技術の哲学」より 著者:戸坂潤
いうことに帰着する外はないのである。発明や発見を最も奨励し甲斐のあるのは、偶然な孤高の天才ではなくて、平均的に考えられた技術家なのである。 さて、資本主義社会....
「草野心平詩集」解説」より 著者:豊島与志雄
後輩も多く、彼に心酔するファンも多数であるが、然し、日本の詩の系譜から見て、孤立孤高の感を免れない。そしてこれは寧ろ、心平さんにとって名誉なことだ。 知性と感....
乾杯」より 著者:豊島与志雄
なかったように、やはり積極的に動こうとはしませんでした。ただ、飲酒と無為との独自孤高な生活を、これではいけないと思いました。なにか新たな生活を、幻想的に追求しま....
ダス・ゲマイネ」より 著者:太宰治
谷の公会堂で三度ほど演奏会をひらいたが、三度が三度ともたいへんな不人気であった。孤高|狷介のこの四十歳の天才は、憤ってしまって、東京朝日新聞へ一文を寄せ、日本人....
学生と先哲」より 著者:倉田百三
はげしく衝撃するかと思えば、また霊鷲のように孤独に深山にかくれるのである。熱烈と孤高と純直と、そして大衆への哭くが如きの愛とを持った、日本におけるまれに見る超人....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
蝎よりも甚だしく、悪政暴吏に対しては挺身|搏闘して滅ぼさざれば止まなかった沼南は孤高清節を全うした一代の潔士でもありまた闘士でもあった。が、沼南の清節は※袍弊袴....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
、怪奇で混乱している。もし人心の帰趨するところに流されるのを潔しとしないで、独り孤高の清節を徹そうとすれば、誇りかな心は逆にまた驕慢の罪を犯すこととなろう。 ....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
の中で、唯一の不平である。 立山には金峰山上の五丈石や鳳凰山頂の大日岩の如く、孤高峭立した人目を駭かすような岩の尖りは殆んど見られない。或は木曾駒の金懸の小屋....