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「学帽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

学帽の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
工場細胞」より 著者:小林多喜二
して、その下に夜店が並んでいた。――植木屋、古本屋、万年筆屋、果物屋、支那人、大学帽……。人達は、方向のちがった二本の幅広い調帯のように、両側を流れていた。何時....
微笑」より 著者:横光利一
ズムがあった。梶が出て行ってみると、そこに高田が立っていて、そしてその後に帝大の学帽を冠った青年が、これも高田と似た微笑を二つ重ねて立っていた。 「どうぞ。」 ....
旅愁」より 著者:横光利一
は由吉の弟の槙三という青年を矢代に紹介した。一見彼女の弟かと見える槙三は、帝大の学帽のまま最初から稀に見る穏やかな笑顔をつづけて黙礼したきり、始終黙りつづけてい....
ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
もじゃもじゃだ。大きな鼻の上に、黒い眼鏡をかけている。頭の上には、小さな四角い大学帽がのって、上から赤い房がたれている。そういえば、この怪人は肩から長い緋色《ひ....
金属人間」より 著者:海野十三
らがまっかな大学教授のガウンを着せ、それから雨谷の頭の上に、ふさのついた四角い大学帽をのせる。 「しかして二十世紀の物理学の弱点をつき、大宇宙の奥にひそめられた....
ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
することもあるが、校長だけは年百年中学校の制帽で押し通している、白髪のはみだした学帽には浦和中学のマークがいつも燦然と輝いている。校長のマークもぼくらのマークも....
あなたも私も」より 著者:久生十蘭
が、四十五六の父親らしいひととふたりで、ケースをのぞきながらこっちへやってくる。学帽の庇《ひさし》が影をおとす端正な顔は、凛々しいほどにひきしまっていて、あのと....
寡婦」より 著者:秋田滋
行ったのです。私は駈けました、力つきて倒れてしまうほど駈けました。その子の小さな学帽が泥だらけになって地面に落ちていました。その晩は夜どおし雨が降っていたのです....
こんにゃく売り」より 著者:徳永直
だった。天秤棒をキシませながら、ふれ声をあげて、フト屋敷の角をまがると、私と同じ学帽をかぶった同級生たちが四五人、生垣のそばで、独楽などをまわして遊んでいるのが....
洋灯はくらいか明るいか」より 著者:室生犀星
に袴をはいて、犀星はまた荒し廻つて歩くだろうと云つた。そして美という徽章のついた学帽をかむつた彼等が私よりどこか大人めいていることと、その大人めいているものに対....