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学殖
「学殖〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
学殖の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
て息気《いき》をふき返した人魚のような葉子のかたわらにおいて見ると、身分、閲歴、
学殖、年齢などといういかめしい資格が、かえって夫人を固い古ぼけた輪郭にはめこんで....
「星座」より 著者:有島武郎
強しかるべくと存じ候同君は御承知のとおり小生会心の一友年来起居をともにしその性格
学殖は貴女においても御知悉《ごちしつ》のはず小生ごときひねくれ者の企図して及びえ....
「春の盗賊」より 著者:太宰治
とうこく》よりは、たのもしく、学ぶところも多いような気がする。おのれの才能にも、
学殖にも絶望した一人の貧しい作家は、いまは、すべてをあきらめて、せめて長寿に依っ....
「風の便り」より 著者:太宰治
の大作家になってしまいました。絢爛《けんらん》の才能とか、あふれる機智、ゆたかな
学殖、直截の描写力とか、いまは普通に言われて、文学を知らぬ人たちからも、安易に信....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
判の劈頭に於て右の鑑定人が呼び出された。 一人は頭蓋骨の鑑定を命ぜられた斯学に
学殖経験深き帝大医科の助手友長医学士で、一人は布地の鑑定を命ぜられた本郷の裁縫女....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
大体不真面目なものだが、「馬鹿」という規定と教養の欠如とは深い関係があるだろう。
学殖ある無知というものがある。 一つ特殊な例を選ぼう。世間で使っている言葉を自....
「読書法」より 著者:戸坂潤
こんなに退屈しないで読めるものではない。博士の実際家らしい板についた引例や多量の
学殖は、後学の徒に学的な野心と刺激とを与えずには置かないだろうと思う。私も亦こう....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
々しい。低い鼻、厚い唇、その上片脚というのである。しかし不思議にも智的に見える。
学殖は相当深いらしい。筒袖を着て伊賀袴を穿き、松葉杖をついている。年は二十七、八....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
どの点に触れたためにこの印象が結ばれたかを彼は追跡する。そこには彼の実際的経験や
学殖や世界観や一般的生活意識やがある。そこに存在するものはもはや「文学」だけでは....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
由ということは要するに教養があるということであり、文化的進歩ということは要するに
学殖があるという類いのことなのである。それをドイツ文化哲学のエティケットとして、....
「科学的精神とは何か」より 著者:戸坂潤
は歴史科学の絶体不可欠の認識手段である。もう少し広く理解すれば、夫はアカデミー的
学殖をさえ意味する。そういう点から私は文化の思想水準と文献学的水準とを区別出来る....
「科学上における権威の価値と弊害」より 著者:寺田寅彦
むる専門の知識においては万人の権威であるべき訳である。しからばあらゆる大学教授の
学殖はすべて同一であるかというに、そういう事は不可能であるが、同じ物理学の中でも....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
と、兄貴らしい気がすればこそである。 この兄貴らしい心もちは、勿論一部は菊池の
学殖が然しめる所にも相違ない。彼のカルテュアは多方面で、しかもそれ/″\に理解が....
「血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
講義の内容も、十分|胡麻化されるし、学者仲間には兎も角、世間に対しては、いかにも
学殖のある篤学の士のように見せかける事は、易々たる事である。そんな訳で、先生の颯....
「所謂批評の「科学性」についての考察」より 著者:戸坂潤
出て来ることが出来る。之が印象自身と印象追跡とに於ける抽象力の働きだ。 公式や
学殖というものも、批評に於ては印象からの抽象力として、一定の意義を有っている。公....