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「学費〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

学費の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
。 主人は地方の零落《れいらく》した旧家の三男で、学途には就《つ》いたものの、学費の半《なかば》以上は自分で都合しなければならなかった。主人は、好きな道を役立....
自叙伝」より 著者:大杉栄
、自分のは勿論父の分までも無くしてしまった。 「あれがあれば、お前達二人や三人の学費くらいは楽に出るんだったがね。」 母はよくこう言っては愚痴っていた。 た....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
れば損です。失礼ですが復一さんを高等の学校へ入れるに、もしご不自由でもあったら、学費は私が多少補助してあげましょうか」 唐突な申出を平気でいう金持の顔を今度は....
駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
も知れない。我々はアイノ人のように段々奥へ奥へと追払われるのだ。 ▲親から貰う学費で下宿料を払ってる時代はノンキに人形町の夜の景色を歌っていられるが、扨て職業....
少年探偵長」より 著者:海野十三
下は幼稚園から、上は高等学校までの級を持っていた。どの組も人数が少く、先生は多く学費はかなり高価であったが、ここで教育せられた生徒はたいへんりっぱであったから、....
次郎物語」より 著者:下村湖人
よ。……そのうち俸給袋を見ればわかる。」 「まあ! 心細いこと。とにかく、恭一の学費までは出ませんわね。」 「そりゃ無論出ない。しかし土地を全部売ると、いくらか....
ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
なる。そして男と泊り歩くようになる。せっかく大学へあげ末を楽しみにしていた息子も学費がつづかずヤミ屋なぞをやって、遊興を覚える。お父さんもゴロゴロねてばっかりい....
頭髪の故事」より 著者:井上紅梅
きつけた彼等がまずはなはだわたしを嫌い出し、監督も大《おおい》に怒って、わたしの学費の支給を差留め、中国に送り返すと言った。幾日も経たぬうちにこの監督さん自身も....
生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
であります。どこそこで国の同窓会がある。会費は三円也。三円、すこし高いな、自分の学費がどういうようにして出ているかということを考えると高い。しかし郷里の人たちの....
地上」より 著者:島田清次郎
ならないのであろう。悲しいことには、お光には彼女一人の手で二人の生活費と平一郎の学費とを与えてゆくことが出来なくなって来ていた。亡き夫の唯一の遺品であった家を売....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
頃な家もないではありませんでしたが、その頃のお手当はいかにも僅かなので、お兄様の学費のこともあり、私どもも出て来ますと暮しがむつかしかろうからと、わざと近い邸外....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
ったそうだ。女学生ではあるが学校へは行かないで弟と二人で世帯を持って、国から送る学費で気随|気儘に暮していた。少とばかり洋書が読めて多少の新らしい趣味を解し、時....
扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
田圃の畦を散歩しながら、私は良人が延ばしていた前の妻の墓標を建てることや、珪次の学費の補助のことや、感傷や遠慮を抜いた実質的な相談をしました。蒼溟として暮れかか....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
て、彼の母親の死を知らせた。この母は慧鶴が出家することに力を添え、僧になって後も学費など気をつけて送って呉れていた。この母親の死に遇うことは慧鶴にとってはかなり....