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孩児
「孩児〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
孩児の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
梅《あんばい》よう親方の方にもいうてな。広岡さん、それじゃ行くべえかの。何とまあ
孩児《やや》の痛ましくさかぶぞい。じゃまあおやすみ」
彼れは器用に小腰をかがめ....
「盲人独笑」より 著者:太宰治
。箏曲家他。文化九年、備後国深安郡八尋村に生まれた。名は、重美。前名、矢田柳三。
孩児《がいじ》の頃より既に音律を好み、三歳、痘を病んで全く失明するに及び、いよい....
「富士」より 著者:岡本かの子
うに畸形にも卑小に、また、経めぐって来た永い歳月を元へ投げ戻されてただ無力の一|
孩児《がいじ》とにしか感じられない。 「これは何ということだ。上には上があるもの....
「押絵の奇蹟」より 著者:夢野久作
もち焼いて。 九めん十めんなさらばなされ。 眼ひき袖引きゃ妾《わたし》のままよ。
孩児《やや》が出来ても妾の腹よ。 あなたのお腹《なか》は借りまいものよ。 主《ぬ....
「空を飛ぶパラソル」より 著者:夢野久作
さんは八幡様へ参詣しなくなった。 「お前が転びでもすると私が敬吾に申訳けがない。
孩児の着物も私が縫うてやるけに、成るだけ無理をせんようにしなさい。その代りキット....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
えの穴がポカンと開いていて、暑さ寒さに痛んで困るのよ」 婆「へいー左様かねえ、
孩児の時そんな疵うでかしちゃアおっ死んでしまうだねえ、どうして癒ったかねえ」 ....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
い赤煉瓦の堆積の中へ迷い込んだ。その紫色の陰影の中に、手足を蠢かして藻掻いている
孩児の幻影を見た。青澄んだ空の只中を黄色く光って行く飛行機を仰いだ……そのあとか....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
とか何とか云って甘たれかかっても、 「稽古に年齢はない。年齢は六十でも稽古は
孩児じゃ」 なぞと手厳しく弾付けられたという話が時折耳に這入った。又、 「ここ....
「先生への通信」より 著者:寺田寅彦
ーが蝋燭に火をつけ始めるとみんなそっちを見る。樹の下の小さなお堂の中に人形の基督
孩児が寝ている。やがて背中に紗の翼のはえた、頭に金の冠を着た子供の天使が二人出て....
「ニュース映画と新聞記事」より 著者:寺田寅彦
言ってもはなはだしい過言ではない。そういう新しい人間としてはわれわれはまだほんの
孩児のようなものである。したがって期待されるものはニュース映画の将来である。演劇....
「平凡」より 著者:二葉亭四迷
十六 ポチは日増しにメキメキと大きくなる。大きくはなるけれど、まだ一向に
孩児《ねんねえ》で、垣の根方《ねがた》に大きな穴を掘って見たり、下駄を片足|門外....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
冗談いっちゃアいけねえ、賊はお前さんたちだ、私は西浦賀の女郎屋の半治という者で、
孩児の時分から身性が悪くって、たび/\諸方に燻ぶって居て、野天博奕を引攫い又ちょ....
「雪ちゃん」より 著者:寺田寅彦
れを御覧。綺麗な画があるよ」と云うたら返事はなくて悲しげに微笑した。「ドーモまだ
孩児で……」と主婦が云った。この悲しげな微笑はいまだに忘れる事が出来ない。 ま....
「三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
は物珍しそうに起きて来て見ていると、ちょっとした手当で今まで人事不省になっていた
孩児が泣き出す、もうこれでよいなどというと、母親が感謝して帰るというようなことは....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
い」という影口もあった。下世話に、犬は貰われる時お子様方はお幾たりと尋ねるが猫は
孩児は何匹だと訊くという通りに、猫は犬と違って児供に弄られるのを煩さがるものだが....