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孫の手
「孫の手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
孫の手の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
さとして、それが極端であろうと思われるものがそこにあった。稚市の両手は、ちょうど
孫の手といった形で、左右ともに、二つ目の関節から上が欠け落ちていて、拇《おや》指....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
うていた。孫の成長と共にすっかり老い込み、耄碌していた金助が、お君に五十銭貰い、
孫の手をひっぱって千日前の楽天地へ都築文男一派の連鎖劇を見に行った帰り、日本橋一....
「若き日の成吉思汗」より 著者:林不忘
下の避難民多勢、農夫、牧民、老若男女、雪崩を打って逃げ出て来る。赤子を抱いた女、
孫の手を引く老人など。同時に、包囲軍からの矢、おびただしくこの望楼に飛来して、避....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
の縁じゃやらと、天燈様まで憎うてならぬ此珠運、相談の敵手にもなるまいが痒い脊中は
孫の手に頼めじゃ、なよなよとした其肢体を縛ってと云うのでない注文ならば天窓を破っ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
を売って動をつけて、その俵町の裏長屋へ越して、祖父は着馴れぬ半纏被に身を窶して、
孫の手を引きながら佐竹ヶ原から御徒町辺の古道具屋を見歩いたが、いずれも高直で力及....
「雨」より 著者:織田作之助
ていた。孫の成長とともにすっかり老いこみ耄碌していた金助が、お君に五十銭|貰い、
孫の手を引っぱって千日前の楽天地へ都築文男一派の新派連鎖劇を見に行った帰り、日本....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
それは、おそらく現実の醜さとして、極端であろうと思われる――いわばちょうど、
孫の手といったような、先がべたりと欠け落ちたステツレルのそれであったからだ。 ....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
いな顔なんだ。頭の鉢はうんとおっぴらき、眼はびっくりしたようにキョロリとし、鼻は
孫の手みたいにしゃくれている。おかあいらしいなんていってくれるひともあるけど、そ....
「神楽坂」より 著者:矢田津世子
る。 今もそんな風に通りをみていたおっ母さんは、欠伸をしながら柱にかかっていた
孫の手をはずして円めた背中へさしこんで、心地よさそうに眼をつむって掻いている。 ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
午過ぎも時折、ごうんごうんと鳴っていた。赤い帯をしめた村の娘、商家のおかみさん、
孫の手をひいてくる老婆たち。ひっきりなし寺の山へ登って来た。 若い者は、参詣人....
「雨」より 著者:織田作之助
っていた。豹一の成長と共にすっかり老いこみ耄碌していた金助が、お君に五十銭貰い、
孫の手をひっぱって千日前の楽天地へ都築文男一派の新派連鎖劇を見に行ったその帰り、....