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孫引き
「孫引き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
孫引きの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「知と疑い」より 著者:寺田寅彦
も無知な最も愚かな人でなければならぬ。学校の教科書を鵜のみにし、先人の研究をその
孫引きによって知り、さらに疑う所なくしてこれを知り博学多識となるものはかくのごと....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
一汎に和漢書よりは精確と想う欧州書にもこんな杜撰《ずさん》が往々《まま》あるから
孫引きは危険千万と注意し置く。カンボジヤの俗信に竹の梢《こずえ》に或る特種の蘭が....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
と詈り居る。しかるに出口米吉君の近刊『日本生殖器崇拝略説』に『日本書紀通証』から
孫引きされた『扶桑拾遺集』に、〈源順《みなもとのしたごう》、庚申|待夜《たいや》....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
つつ五指を折り固むるのだと。ただしその法幾度行うても寸効なかったと自白した。上に
孫引きした『博物類纂』の支那方あたりから転出したと見える。 『続古事談』二に、古....
「今日の文学の展望」より 著者:宮本百合子
らなかったろう。文学における日本の精神というとき、その専門家である国文学者は俗流
孫引きの牽強に対して、常識の抱く疑問を明かにする文化的実力は有しないのである。日....
「明治十年前後」より 著者:淡島寒月
、烏亭焉馬などの本が沢山にあった。特に京伝の『骨董集』は、立派な考証学で、決して
孫引きのないもので、専ら『一代男』『一代女』古俳諧等の書から直接に材料をとって来....
「辞書」より 著者:折口信夫
のほうになると、当りがつかない。倭名鈔にはいろいろな書物が引いてある。原書からか
孫引きかわからぬが、中国の本がたくさん出ている。兼名苑云……、昔はこうで和訓はこ....
「工学博士末広恭二君」より 著者:寺田寅彦
を飛ばせるといったようなことも試みた。無闇に読みもしない書物を並べ立て、用もない
孫引きの文献を並べるような事も好まなかった。 末広君の独創を尊重する精神は、同....
「失うた帳面を記憶力で書き復した人」より 著者:南方熊楠
は、三十余年前見たがまるで忘れた。かつ自分の蔵中にないから、また『燕居雑話』から
孫引きする。いわく、「陳諫なる者、市人にて強記なり。たちまち染人が、歳ごとに染む....