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孱弱
「孱弱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
孱弱の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
すさまじい唸り声をあげて、いたずらに地上に映る女の影に吠えているばかりであった。
孱弱《かよわ》い女子《おなご》が群がる犬に取り巻かれている。それが見ず識らずの人....
「鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
というて、それが今年か来年のことか。ここの年季《ねんき》は丸六年、わたしのような
孱弱《かよわ》い者は、いつ煩ろうていつ死ぬやら」 「はて、不吉な。気の弱いにも程....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
枚で、これから毎朝|跣足《はだし》参りをするんだそうですが、見るから痩せぎすな、
孱弱《ひよわ》そうな人ですから、からだを痛めなければいいがと案じています。そりゃ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
から尾張屋の厄介になってやっぱり店の仕事を手伝っているんですが、どっちかというと
孱弱い方で、米屋のような力仕事には不向きなので、遊び半分にぶらぶらしているようで....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
も近来はよほど丈夫になったと人も云い、自分もそう信じているのですが、土台の体格が
孱弱く出来ているのですから、迚も刺青などという荒行の出来る身体ではない。勿論、方....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
あるのに、何が不足でこの播磨を疑ったと、彼は物狂わしいほどに哮り立って、力任せに
孱弱い女を引摺り廻してむごたらしく責めさいなんだ。女の白い頬は板縁にこすり付けら....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
ば疾風落葉を巻くが如き勢いで、さッと飛んで来て冬子に獅噛付いた。あれと云う間に、
孱弱い冬子は落葉の上に捻倒されると、お葉は乗し掛って其の庇髪を掴んだ。七兵衛は胆....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
憎々しく大きく、群獣をぬいて高く怒号するもの、 うそぶき、笑い、闊歩するもの、
孱弱く疲れていざり寄るもの、 ごろりと仰向きに臥ている牡、右の前|鰭で、はたり....