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「宇品〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

宇品の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
自叙伝」より 著者:大杉栄
、西ヶ輪という町に引越した。斎藤という洋服屋の裏の小さな家だった。そして父がまだ宇品で御用船の出帆を待っている間に、母に男の子が生れた。父から「イサムトナヲツケ....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
を受けて、最初から従軍新聞記者と名乗って渡航したのでした。 これらの従軍記者は宇品から御用船に乗り込んで、朝鮮の釜山または仁川に送られたのですが、前にもいう通....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
長刀と革嚢を載せて停車場の方より来る者、面黒々と日にやけてまだ夏服の破れたるまま宇品より今上陸して来つと覚しき者と行き違い、新聞の写真付録にて見覚えある元老の何....
壊滅の序曲」より 著者:原民喜
、中国山脈も湾口に臨む一塊の都市も薄紫の朧《おぼろ》である。……が、そのうちに、宇品《うじな》港の輪郭がはっきりと見え、そこから広島市の全貌《ぜんぼう》が一目に....
廃墟から」より 著者:原民喜
うに見える石段にまざまざと刻みつけられてあるようだ。 広島駅で下車すると、私は宇品《うじな》行のバスの行列に加わっていた。宇品から汽船で尾道へ出れば、尾道から....
夏の花」より 著者:原民喜
遂《つい》に見出《みいだ》せなかった。彼は大急ぎで自宅の方へ引返してみた。そこは宇品の近くで家が崩れただけで火災は免れていた。が、そこにも妻の姿は見つからなかっ....
原爆詩集」より 著者:峠三吉
が ひからびてついていて 影一つないまひるの日ざしが照し出している、 君のうちは宇品町 日清、日露の戦争以来 いつも日本の青年が、銃をもたされ 引き裂かれた愛の....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
何人も出かけるそうで達治さんの乗る汽車にも沢山のって居りました。もし私のいるうち宇品からでも出るようでしたら、お母さんのお伴をして送りにゆきましょう。 こちら....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
いが北支の方面のようです。二十日に又会いにお母さんと御一緒にゆきます。二十一日の宇品はそれこそ人波の押しを私の気の押しでは支え切れないから、却ってあぶなくていけ....
ヒロシマの声」より 著者:豊島与志雄
に打ち開け、海上一里ほどの正面に安芸の小富士と呼ばるる似ノ島の優姿が峙ち、片方に宇品の港を抱き、その彼方は、大小の島々を浮べてる瀬戸内海である。ここに建設される....
火の扉」より 著者:岸田国士
らんぜ」 とか、 「浜島茂か、どつかで聞いた名前だぞ」 とか、 「このあとで宇品へはいる船が杉部隊の本部を乗せるはずだ」 とか、 「おい、ねえちやん、停車....
初夢」より 著者:正岡子規
浜の艀《はしけ》の着く処へ金字の大広告をする位でなくちゃいかんヨ。も一歩進めて、宇品の埠頭《ふとう》に道後旅館の案内がある位でなくちゃだめだ。松山人は実に商売が....
」より 著者:正岡子規
間の碇泊とは随分長い感じがする。甲板から帰って来た人が、大山大将を載せた船は今|宇品《うじな》へ向けて出帆した、と告げた時は誰も皆|妬《ねた》ましく感じたらしい....