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宇治橋
「宇治橋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
宇治橋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「田舎教師」より 著者:田山花袋
修寺の中学校に英語国語の教師として雇われて二年ほどいた。伊勢の大廟から二見の浦、
宇治橋の下で橋の上から参詣人の投げる銭を網で受ける話や、あいの山で昔女がへらで銭....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
洗うと、余は宿の褞袍を引かけ、一同は旅の着物になって、茶ものまず見物に出かけた。
宇治橋は雪の様な霜だ。ザクリ/\下駄の二の字のあとをつけて渡る。昔|太閤様は此処....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
が肝腎で、むかしの数寄者は何よりもこれに心をつかったものだ。わざわざ使を立てて、
宇治橋の三の間の水を汲ませた風流も、こうした細かな吟味からのことだったが、大阪で....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
び出しました。 九 お杉お玉らは間の山へ出て客を呼ぶ、米友は
宇治橋の下に立って客を呼んで銭《ぜに》を乞う。お杉お玉は三味線の撥《ばち》で客の....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
えて、宗山を退治る料簡。 と出た、風が荒い。荒いがこの風、五十鈴川で劃られて、
宇治橋の向うまでは吹くまいが、相の山の長坂を下から哄と吹上げる……これが悪く生温....
「日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
九月まで余震が続いた。区域は、山城、近江、美濃、伯耆の諸国に跨っていた。これには
宇治橋が墜落し、近江の琵琶湖では湖縁の土地が陥落し、湖の水が減じたらしい。 近....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
《かんしゃく》に過ぎません。 宇治山田の米友は、伊勢の国に在る時に、神宮の前の
宇治橋の下で網受けをして生業《なりわい》を立てていたことは、先刻御承知のことであ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ありません。やはり米友とても、農業のことを働かせれば働きます。伊勢の拝田村では、
宇治橋の河原へ稼《かせ》ぎに出る間は、自宅で相当の百姓仕事をやっていたのです。現....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
、女房達が、ずらりと大地に並びまして、一文二文に両換をいたします。さあ、この橋が
宇治橋と申しまして、内宮様へ入口でござりまする。川は御存じの五十鈴川、山は神路山....
「関牧塲創業記事」より 著者:関寛
り。此の如く着用するの貌を自らは其全体を見る事能わざるも、傍人の有様を見て、其昔
宇治橋上に立ちて戦たる一來法師もかくあらんかと思われたり。 かかる着用にて、炎熱....
「源氏物語」より 著者:紫式部
きになってかえってより多くがお望まれになった。河音はうれしい響きではなかったし、
宇治橋のただ古くて長いのが限界を去らずにあったりして、霧の晴れていった時には、荒....
「源氏物語」より 著者:紫式部
、大将は山荘の内にはいり、前駆の者などがまだ門の所で騒がしくしている時に見ると、
宇治橋を来た一行もこの山荘をさして来るものらしかった。随身たちががやがやというの....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
を読む。外は風雨。六時田川君を起す。六時十分、出発。外は真ッ暗。人通り全くなし。
宇治橋の上に雪がつもっている。足跡なく、我々の足跡のみクッキリのこる。即ち、我ら....
「モルガンお雪」より 著者:長谷川時雨
温泉に行った夜の、保津川《ほづがわ》の舟に見たのは、青かったが、もっと白かった。
宇治橋のお三の間で眺めた月は――といいたかったが、それは誰と見たときかれるのが恐....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
前を通ろうとして、我にもあらず立淀んだ。散策子は、下衆儕と賭物して、鬼が出る
宇治橋の夕暮を、唯一騎、東へ打たする思がした。 かく近づいた跫音は、件の紫の傘....