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「守り刀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

守り刀の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
が来た。半蔵は青い河内木綿の合羽を着、脚絆をつけて、すっかり道中姿になった。旅の守り刀は綿更紗の袋で鍔元を包んで、それを腰にさした。 「さあ、これだ。これさえあ....
若き日の成吉思汗」より 著者:林不忘
蘭《ジャダラン》族へ輿入れする時、父の瑣児肝失喇《ソルカンシラ》から渡されたこの守り刀が、こんな役に立とうとは思わなかった。もし成吉思汗《ジンギスカン》が無礼を....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
《ぶ》ッつかって、立っていられぬように、脚部が力を失った。 彼女は、血まみれの守り刀を、投げ捨てたかったけれど、指が、柄《つか》に食いついてしまってはなれない....
三郎爺」より 著者:宮本百合子
いう、可憐な心持もあったのである。 なぜそれがあったか分らないが、彼は自分の「守り刀」をあずけて置いた、ある士あがりの人の処へ行った。 そして何気なく刀のこ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
んな面をするか、それを見てやりてえものだ。こっちの方の二品は、こりゃ錦の袋入りの守り刀と来ている、もう一つはズッシリとしたこの重味、この二つとも、殿様からの御拝....
源氏物語」より 著者:紫式部
。親しい侍を一人つけて、あくまでも秘密のうちに乳母《めのと》は送られたのである。守り刀ようの姫君の物、若い母親への多くの贈り物等が乳母に託されたのであった。乳母....
源氏物語」より 著者:紫式部
ようもないのである。乳母《めのと》と少将という若い女房だけが従って行くのである。守り刀、天児《あまがつ》などを持って少将は車に乗った。女房車に若い女房や童女など....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
小平が、まずたくましい顔の上へ、敵がい心をムラムラとだした。 「お咲殿、そなたも守り刀で!」 「あい!」とお咲も懐剣を握った。 「どんな武士か知らないがナーニ!....
南国太平記」より 著者:直木三十五
の隅から、じりじりと、押上がってくるように思えた。 七瀬の手は、いつの間にか、守り刀の袋へかかっていた。眼は、恐怖に輝きながら、廻転している霧を、睨みつけてい....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
……シ、知らぬッ、離せ」 お千絵が帯をさぐるのを、男は冷笑して見ていた。唯一の守り刀は、腕をつかみ取られた途端に、道のむこうへ捨てられていた。 鷲の爪にかか....