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「守宮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

守宮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
羅生門」より 著者:芥川竜之介
、この羅生門の上で、火をともしているからは、どうせただの者ではない。 下人は、守宮《やもり》のように足音をぬすんで、やっと急な梯子を、一番上の段まで這うように....
婦系図」より 著者:泉鏡花
冷く握って、今まで握緊めていた、左の拳に、細い尻尾のひらひらと動くのは、一|尾の守宮である。 はっと開くと、雫のように、ぽたりと床に落ちたが、足を踏張ったまま....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
い跡をさがしてみると、東の古い階段の下に、粟粒ほどの小さい穴があって、その穴から守宮が出這入りしているのを発見した。士はすぐに幾人の人夫を雇って、その穴をほり返....
春昼」より 著者:泉鏡花
中の妙な蝙蝠じゃて。 懐中から本を出して、 蝋光高懸照紗空、 花房夜搗紅守宮、 象口吹香※暖、 七星挂城聞漏板、 寒入罘※殿影昏、 彩鸞簾額....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
リと座のものの目に輝いた時、色男の顔から血しぶきが立って、そぎ落された低い鼻が、守宮のように、畳でピチピチと刎ねた事さえある。 いま現に、町や村で、ふなあ、ふ....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
だので、呪の念が錆附いているだろう、よくお見。これはね大工が家を造る時に、誤って守宮の胴の中へ打込んだものじゃ、それから難破した船の古釘、ここにあるのは女の抜髪....
」より 著者:豊島与志雄
五本分れ出て、細長い先の円い指を吊していた。その指が少し上向き加減にうち開いて、守宮《やもり》の足の指のように見えた。それが、その全体が、ゆらゆら……ゆらゆら…....
探偵の巻」より 著者:坂口安吾
退したのであつたが、食堂の親爺といふ稀代な人物、思ひ込んだら雷が鳴つても放さない守宮の生れ変りだから、狙ひをつけて食ひつかれたら、もはや万事休すである。娘を一室....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
かにも自適している。 一体鶴見には偏好性があって、虫類では蜥蜴が第一、それから守宮、蟷螂という順序である。静岡に住んでいた間は、それらの三者に殊に親しさを感じ....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
ように構えた。しかしこの老獪な用心棒は、打ち込んで行く代わりに背後へ退き、粗壁へ守宮のように背中を張り付け、正面に、梁から、ダラリと人形芝居の人形のように下がり....
多神教」より 著者:泉鏡花
おいじゃ。……別に鉄槌、うむ、赤錆、黒錆、青錆の釘、ぞろぞろと……青い蜘蛛、紅い守宮、黒|蜥蜴の血を塗ったも知れぬ。うむ、(きらりと佩刀を抜きそばむると斉しく、....
坑鬼」より 著者:大阪圭吉
りたくった粘土は、薄いところから段々乾燥して色が変り、小さな無数の不規則な亀裂が守宮のように裂けあがって行った。 技師も工手も監督も、一様に不気味な思いに駆ら....
消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
訪ねて来るのを日課のようにしていました。 何事にも神経質な勝田さんは、天井から守宮が落ちてくるのを怖れて、いつもヴェランダにあるモスキトー・ハウスの中へ入って....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
したいと思う。 佐藤氏所蔵寛元二年三月の文書のことは、すでに柳田氏の「夙の者と守宮神との関係」(『郷土研究』二巻九号)中にみえている。同君は「穂井田忠友の保護....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
、滑り落ちる許りで登れそうにもない。金作が見兼ねて「俺しが先へ登ろう」といきなり守宮の如く壁面に吸い付いて、体をうねらせながら登った。人間にもあんな真似が出来る....