安い[語句情報] »
安い
「安い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
安いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
た。重吉はこの茶の間へはいると、洋服を和服に着換えた上、楽々と長火鉢の前に坐り、
安い葉巻を吹かしたり、今年やっと小学校にはいった一人息子の武夫をからかったりした....
「春」より 著者:芥川竜之介
こちらを眺めていた。広子は彼の顔や態度にたちまち昔の「猿」を感じた。同時にまた気
安い軽蔑《けいべつ》を感じた。彼はこちらを眺めたなり、礼をしたものかしないものか....
「葱」より 著者:芥川竜之介
んだ》本郷《ほんごう》辺のバアやカッフェ、青年会館や音楽学校の音楽会(但し一番の
安い切符の席に限るが)兜屋《かぶとや》や三会《さんかい》堂の展覧会などへ行くと、....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
《やし》も葉を垂らしている。――と云うと多少気が利《き》いていますが、家賃は案外
安いのですよ。
主筆 そう云う説明は入《い》らないでしょう。少くとも小説の本文....
「運」より 著者:芥川竜之介
だって、信心をするよ。日参をしたって、参籠《さんろう》をしたって、そうとすれば、
安いものだからね。つまり、神仏を相手に、一商売をするようなものさ。」
青侍は、....
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
《やぶ》の中へ、そう云う物を埋《うず》めてある、もし望み手があるならば、どれでも
安い値に売り渡したい、――と云う話をしたのです。男はいつかわたしの話に、だんだん....
「或る女」より 著者:有島武郎
の岡をあわれむ事すらもう忘れていた。
結句船の中の人たちから度外視されるのを気
安い事とまでは思わないでも、葉子はかかる結果にはいっこう無頓着《むとんじゃく》だ....
「或る女」より 著者:有島武郎
女中は顔も見せずにさっさと階下《した》に降りて行ってしまった。葉子は結局それを気
安い事にして、その新聞を持ったまま、自分の部屋《へや》に帰った。どこを掃除したの....
「親子」より 著者:有島武郎
すかな。昨夜早田と話をした時、聞きただしてみると、この辺の土地の売買は思いのほか
安いものですよ」 父は例の手帳を取り出して、最近売買の行なわれた地所の価格を披....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
る、それを定命の死といわないで何処に正しい定命の死があろう。愛したものの死ほど心
安い潔い死はない。その他の死は凡て苦痛だ。それは他の為めに自滅するのではない。自....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
赤木には少し勿体ないような家だから、おい家賃はいくらすると訊いて見たが、なに存外
安いよとか何とか、大に金のありそうな事を云ってすましている。それから、籐椅子に尻....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
て、背を見せている。木戸番は声を限りに木戸札を叩いて「ヤレ突けそれ突け八文じゃあ
安いものじゃ」と怒鳴っている。八文払って入って見ると、看板の裲襠を着けている女が....
「燕と王子」より 著者:有島武郎
なかたからまのあたりお声をかけられた事がないのでほくほく喜びながら、 「それはお
安い御用です。なんでもいたしますからごえんりょなくおおせつけてくださいまし」と申....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
見るに、米は統制で抑え、肥料は自由販売として、日本の農民には高い肥料を売りつけ、
安い米を買い上げ、外国には
安い肥料を売って、高い米を輸入しているのであります。一....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
の上にかけ並べた日本アルプスの写真を見ながら、葛餅を一盆ずつ食うことにした。 「
安いものですね、十銭とは。」 O君は大いに感心していた。しかし僕の中学時代には....