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「安住〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

安住の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
い刺戟に脅《おびや》かされないで、ともかくも快よくチャイコウスキイの神秘な世界に安住出来るのを喜んだ。が、大井はやはり退屈らしく、後頭部を椅子の背に凭《もた》せ....
少年」より 著者:芥川竜之介
うに一面に青あおとなるかも知れない。が、将来に※《あこが》れるよりもむしろ現在に安住しよう。――保吉は予言者的精神に富んだ二三の友人を尊敬しながら、しかもなお心....
二つの道」より 著者:有島武郎
の道に出遇うことがある。無数にある交叉点の一つにぶつかることがある。その時そこに安住の地を求めて、前にも後ろにも動くまいと身構える向きもあるようだ。その向きの人....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
。前にもいったように、私はより高い大きなものに対する欲求を以て、知り得たる現在に安住し得るのを自己に感謝する。 私の言おうとする事が読者に十分の理解を与え得な....
去年」より 著者:伊藤左千夫
に泣いた。 矛盾撞着……信仰のない生活は、いかりを持たない船にひとしく、永遠に安住のないことを深刻に恥じた。 五 七月となり、八月となり、牛....
海底都市」より 著者:海野十三
「もちろんだ。僕はこの機会に、徹底的にトロ族を研究し、そして彼らのために幸福な安住《あんじゅう》のできる国を建設してやりたいと思っているんだ」 「おお、万歳《....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
慾の誘惑にかかった魂は、終にその奴隷とならずんば止まぬ。彼は到底清純無垢の境地に安住し得ない。彼の望むところは、お馴染の魔窟であり、悪習慣である。友は友を呼び、....
飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
じた往年の感激は返らないらしい。所詮下手は下手なりに句作そのものを楽しむより外に安住する所はないと見える。 おらが家の花も咲いたる番茶かな 先輩たる蛇笏君の憫笑を蒙れば幸甚である。....
東京に生れて」より 著者:芥川竜之介
を見出すことが、まあ、僕などはこんなところにも都会らしい美しさを感じなければ外に安住するところはない。 広重の情趣 尤も、今の東京にも、昔の錦絵にあるやうな....
「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
と涙をながした。 「ゆこう坊や。坊やのお国の日本へゆこうよ」 そうして二人は、安住の地へと漂泊をはじめたのであったが……それには、まず行きようもないと云う秘境....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
くした。 その噂が都まであまねく聞こえ渡った頃には、かの兼好法師は双ヶ岡の庵に安住していなかった。彼が書いてやった「なよ竹」の歌も、小坂部が書き残して行った「....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
と。また曰く、人生の興味は不可解である、この不可解に或る一定の解釈を与えて容易に安住するは「あきらめ」でなければイグノランスであると。かくの如くして二葉亭の鉄槌....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
や外交や二葉亭がいわゆる男子畢世の業とするに足ると自ら信じた仕事でも結局がやはり安住していられなくなるのは北京の前轍に徴しても明かである。最後のペテルスブルグ生....
詩の精神は移動す」より 著者:小川未明
あったなら、私はそれを求むるところの詩という事が出来ない。極端に言えば、旧文化に安住している人々には、又その時代の感情に陶酔し、享楽している人々には、ほんとうの....
」より 著者:織田作之助
よって同時に自尊心を傷つけられたということは、彼にとって敢て誇張するならばもはや安住すべき世界を喪ってしまったことを意味するのである。だから彼はその世界を奪った....