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安全剃刀
「安全剃刀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
安全剃刀の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「桜の樹の下には」より 著者:梶井基次郎
道で、俺の部屋の数ある道具のうちの、選《よ》りに選ってちっぽけな薄っぺらいもの、
安全剃刀の刃なんぞが、千里眼のように思い浮かんで来るのか――おまえはそれがわから....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
、それでも文句なかったらと友達が紹介してくれたのだ。柳吉はいやとは言えなかった。
安全剃刀、レザー、ナイフ、ジャッキその他理髪に関係ある品物を商っているのだから、....
「千年後の世界」より 著者:海野十三
ろいろの機械がならんでいる。また、たくさんの参考文献や、そのほか灰皿や歯ブラシや
安全剃刀などという生活に必要ないろいろな品物も入っている。早くいえば、研究室と書....
「少女地獄」より 著者:夢野久作
ンでありました事は、ほんとに天の助けだったかも知れません。その上に私が、偶然に、
安全剃刀の刃を用意しておりましたのは、これこそ一つの奇蹟だったかも知れません。ガ....
「わが町」より 著者:織田作之助
れに答えず、眼を皿のようにして表を通る人を睨んでいた。 午過ぎ、やっと客が来て
安全剃刀の替刃一枚六銭の売上げという情けないありさまだった。 「まいどおおけに」....
「詩と官能」より 著者:寺田寅彦
る。それは剃刀が切れ味があまりよくなくて少し痛かったせいもあるが、それまで一度も
安全剃刀というものの体験をもたなかったためにそれがたいそう珍しく新しく感じられた....
「海底都市」より 著者:海野十三
》の柄《え》をくわえた――と見えたが、それから煙が出てくるところを見ると、それは
安全剃刀ではなくて、どうやら煙草のパイプの類らしいことが分った。 普通のパイプ....
「浚渫船」より 著者:葉山嘉樹
くと云う、青年に貰った、ゴンドラの形と金色を持った、私の足に合わない靴。刃のない
安全剃刀。ブリキのように固くなったオバーオールが、三着。 「畜生! どこへ俺は行....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
所で、君の偽造不在証明を分解しよう。まず柳江の書斎にある柱時計の長針と短針とに、
安全剃刀の刃を一定の位置に貼り付けて置いたのだ。それから、時計の右手にある釘に糸....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ちゃん、そろそろ落付いたでしょう。達ちゃんたらね、髭すり道具をもっていないのよ。
安全剃刀がないの、不図思いついて、いつかの行李の袋に入って来たのを思い出し、ひと....
「私の信条」より 著者:豊島与志雄
はある。例えば、親しい知人との間でも、着物を貸したり借りたりすることが嫌なのだ。
安全剃刀にしろ石鹸にしろ、自分のは自分一人だけで使いたく、他人に使われるのが嫌だ....
「擬体」より 著者:豊島与志雄
それから起き上った。足音をぬすみ物音をぬすんで、道具立てをした。鋭いナイフ……
安全剃刀の刄……アドルムの錠剤……オキシフル……絆創膏……繃帯……。それらのもの....
「雪雑記」より 著者:中谷宇吉郎
ようになったのである。別に何処《どこ》をどう改良したというのでもなく、依然として
安全剃刀の刃を手に持って切っているだけなのであるが、切れてさえくれればそんな詮索....