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安否
「安否〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
安否の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
がら、小路《こうじ》を南へ二三町、下るともなく下って来た。今は沙金《しゃきん》の
安否を気づかっている余裕もない。侍は衆をたのんで、すきまもなく切りかける。犬も毛....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
うに、にこにこ御笑いになりました。
「お前がこの島に止《とど》まっていれば、姫の
安否《あんぴ》を知らせるのは、誰がほかに勤めるのじゃ? おれは一人でも不自由はせ....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
安心して、暫く世間話をしている中に、偶然、佐渡守が、いつものように前島林右衛門の
安否を訊ねた。すると、修理は急に額を暗くして、「林右衛門めは、先頃《さきごろ》、....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
してくれました。が、新蔵はそう聞いた所で、泰さんの云う事には得心出来ても、お敏の
安否を気使う心に変りのある筈はありませんから、まだ険しい表情を眉の間に残したまま....
「夢」より 著者:芥川竜之介
…
モデルは次の日もやって来なかった。わたしはとうとうMと云う家へ行き、彼女の
安否《あんぴ》を尋ねることにした。しかしMの主人もまた彼女のことは知らなかった。....
「或る女」より 著者:有島武郎
いた。あれから一度も訪れこそしないが、時おり金を送ってやる事と、乳母《うば》から
安否を知らさせる事だけは続けていた。乳母の手紙はいつでも恨みつらみで満たされてい....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
らし、ずっと家に引込んでいる。 ◯九州連日爆撃に、鹿児島の家のことと、永田夫妻の
安否を心配している。前にはこっちが心配せられ、今はこっちがあっちを心配しつづけて....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
傷者等を搭載しパリに向け離陸後|消息を絶ちしものなり。勇敢なる大尉及び同乗者等の
安否は、極めて憂慮さる” それを読んだ仏は、舌を捲いた。 「ふーん、日本軍人は....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
た。 そしてこの偵察隊がまっ先にやらねばならぬことは、行方不明の竜造寺兵曹長の
安否をしらべることだった。 班長左倉少佐が、ある日、明かるい顔をしてもどってき....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
事がひきおこされているのであろうか。 フイリッピン人カラモを装う川上機関大尉の
安否は、果して如何? エンジン室の乱闘 試運転中の飛行島の艦側に、暗夜の....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
やってる処へ、また竜川とかいう千破矢の家の家老が貴方、参ったんだそうで、御主人の
安否は拙者がか何かで、昔取った杵柄だ、腕に覚えがありますから、こりゃ強うがす、覚....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
油壺の狭い入江を隔てた南岸の森の蔭、そこにホンの形ばかりの仮家を建てて、一|族の
安否を気づかいながら侘ずまいをして居りました。只今私が祀られているあの小桜神社の....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
て悦び、口早に女房にも告げ神仏の来臨の如く尊敬して座敷へ通し、何はさて置き伯父の
安否を問い、幾度か昔救われたることを述べ、予が労れをいたわりて馳走かぎりなし。翌....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
寺の礼拝、説教、婚礼、葬式等を主任するほかに、ときどきその檀家信徒を巡回し、起居
安否を尋問し、病客あるときはその病を問い、不幸あるときはその不幸を弔する等、いた....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
し、私はからくも生き残ったが、一時は死んだとのウワサがとんで、友人の川俣代議士が
安否をたずねに来たことがある。無謀な戦争をやり、われわれ社会主義者の正当な声を弾....