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安固
「安固〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
安固の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「死生」より 著者:幸徳秋水
霜を経て、文明は益々進歩し、物質的には公衆衛生の知識愈々発達し、一切公共の設備の
安固なるは元より、各個人の衣食住も極めて高等・完全の域に達すると同時に、精神的に....
「これから結婚する人の心持」より 著者:宮本百合子
の比喩で云えば、平和産業であるにちがいないそういう商取引が、果して、今日の現実で
安固な土台に立っていると云えるだろうか。 結婚生活の一番地味なつつましい共通性....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
市民に君臨するようになったか、市民が其等の勢力を中心として結束して自己等の生活を
安固幸福にするのを悦んだためであるか、何時となく自治制度様のものが成立つに至って....
「死刑の前」より 著者:幸徳秋水
明はますます進歩し、物質的には公衆衛生の知識がいよいよ発達し、一切の公共の設備が
安固なのはもとより、各個人の衣食住もきわめて高等・完全の域に達すると同時に、精神....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
いる、経済的にもね。芸術的には勿論。文学にたずさわる名流夫人(今井邦子その他)の
安固らしさにひかれる心持。一葉が若い生涯の晩年に到達した文学上の自信は、一歩あや....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
る種族が住んでいるように思われる。酋長はほとんど権力をもたず、従って私有財産は不
安固であるため、食糧はそこでは滅多に豊富ではない1)。ニュウ・ジイランドの大島に....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
は一定の国籍の下《もと》にありて、法律《ほうりつ》の保護を受け、もって生命財産の
安固《あんこ》を保ちながら、その国の不為《ふため》を謀《はか》るごときは、決して....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
云われるであろう、すなわち、これは非常に遺憾なことである。しかしこれは、財産の不
安固から必然的に生ずる全一連の暗黒なる災厄とは比較にならぬ害悪である。一人の人間....
「チェーホフの短篇に就いて」より 著者:神西清
揺蕩する彼のリアリズム精神は、再び地上に定着されるや、ほかならぬその形式のもとに
安固たる不滅の像をむすんでいるからである。 (一九三六年九月「新潮」、加筆して『....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
お進みなされます。そこには鍛錬せられたる能力があります。その能力のあなたの地位を
安固なものにするのに大いに役立つことと存じます。あなたはしっかりした心丈夫な気が....
「寒中滞岳記」より 著者:野中至
中より引続き滞岳して身体を山頂の風土に馴《な》らし、以て病を未然に防ぎて、身体の
安固《あんこ》を図り、あるいは測器の故障を防ぐの法を立つる等、その他経験し得たる....
「デモクラシーの要素」より 著者:新渡戸稲造
決して安堵即ち自由とはいわぬ。しかし僕の言わんと思うことはある程度まで生命財産の
安固を得なければ自由を得難いものであると思う。衣食足って礼節を知るというが、衣食....
「自由の真髄」より 著者:新渡戸稲造
如き先覚者になると、外部の矩より内部の矩の方が大切であり、己の心に反していわゆる
安固にいわゆる自由を求むることを潔とせぬ、そこで俗界のいわゆる
安固と名利もこれを....
「建国の事情と万世一系の思想」より 著者:津田左右吉
することによって、皇室の勢威を背景としてもつことによって、かれらみずからの地位を
安固にしようとしたのである。皇室が武力を用いて地方的豪族に臨まれるようなことはな....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
馬を引取ってこれを処分するという、有利な副業を有していましたから、生活がきわめて
安固でありました。したがって人口が盛んに増殖する。一般世間の百姓、町人らは、生活....