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安宿
「安宿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
安宿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「放浪」より 著者:織田作之助
て、しかしこれは余りに滑稽な空想だと直ぐ打ち消した。 順平は千日前金刀比羅裏の
安宿に泊った。どういう気持で丸亀を飛び出したのかと自分でも納得出来ず、所詮は狂言....
「世相」より 著者:織田作之助
屍の結果、他殺暴行の形跡があり、犯行後四日を経ていると判明した。家出して千日前の
安宿に泊り毎日レヴュ小屋通いをしている内に不良少年に眼をつけられ、暴行のあげく殺....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
から、坊主はむやみに口惜しくなって、なんとかして意趣返しをしてやろうと、そこらの
安宿を転げあるきながら、足かけ二カ月越しも付け狙っているうちに、歌女寿の娘が去年....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いって来たのは、ことしの花ももう散りかかる三月のなかばであった。彼は下谷辺のある
安宿を仮の宿として、江戸市中を毎日遍歴した。 彼がふた月あまり江戸に足をとどめ....
「間諜座事件」より 著者:海野十三
細い横丁を二三度あちこちへ折れて、飛びこんだのはアパートメントとは名ばかりの
安宿の、その奥まった一室――彼等の秘密の隠れ家! 「どうだった?」入口の扉にガチ....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
いと思って、いくどもたずねていったといっている。そのために、トラ十は、郊外のある
安宿に、もう一週間もとまっているといっているぞ。本当に、トラ十が曲馬団をたずねて....
「ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
るのでした。それから彼はまた、食べ残したむし返しの御飯や、食べ残しものを、近所の
安宿の泊客を連れてきてはほどこしをしてやるのです。彼は狭い台所に胡坐をかいて、汚....
「死者の書」より 著者:折口信夫
の苗木じゃった栢が、此ほどの森になったものな。畏かったぞよ。此墓のみ魂が、河内|
安宿部から石担ちに来て居た男に、憑いた時はのう。 九人は、完全に現し世の庶民の心....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ている家の前へ出ました。すきまからあかりが往来へさしていました。これはそのころの
安宿で、半分居酒屋のようなものでした。ところで、そのなかはホルシュタイン風の百姓....
「雨」より 著者:織田作之助
ぼした。そして、泣いて止めるお君を振りきって家を飛びだした。 その夜は千日前の
安宿に泊った。朝、もう新聞社へ行く気もしなかった。毎日就職口を探して歩いたが、家....
「神経」より 著者:織田作之助
ヴュが好きで、レヴュ通いを伯母にとがめられたことから伯母の家を飛び出し、千日前の
安宿に泊って、毎日大阪劇場へレヴュを見に通っていたらしいと判った。不良少年風の男....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
、汽車で帰る……だけど私今、お金ちっとも持たないの。イベット、済まないけど今居る
安宿の諸払いとマドリッドまでの汽車賃とそれから当座のお小使だけあたしに呉れない。....
「お姫さまと乞食の女」より 著者:小川未明
なったときに、お姫さまは、みんな自分のような貧しいようすをした旅人ばかりの泊まる
安宿へ、入って泊まることになされました。そこには、ほんとうに他国のいろいろな人々....
「俗臭」より 著者:織田作之助
だい散り/\に自活の道を求めて上阪してから丁度十日目だった。職を探すべく千日前の
安宿に泊っている内に、所持金を費い果して、その日は朝から何もたべていない。道頓堀....
「放浪」より 著者:織田作之助
れて、しかし之は余りに滑稽な空想だと直ぐ打ち消した。 順平は千日前金刀比羅裏の
安宿に泊った。どういう気持で丸亀を飛び出したのか自分でも納得出来ず、所詮は狂言め....