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安心
「安心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
安心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
なかったにしろ、君は格別僕の手紙を予想しているとも思われないからその点だけは甚だ
安心している。が、もしこの手紙を受け取ったとすれば、君は必ず僕の運命に一驚《いっ....
「影」より 著者:芥川竜之介
かも知れないわね。」
「奥様はまあ、御冗談《ごじょうだん》ばっかり。」
老女は
安心したように微笑しながら、また紅茶の道具を始末し始めた。
「いいえ、婆やは知ら....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
ないようであった。しかし彼は膝を進ませると、病人の耳へ口をつけるようにして、「御
安心めされい。兵衛殿の臨終は、今朝《こんちょう》寅《とら》の上刻《じょうこく》に....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
ぶべつ》の眼の色を送りながら、静に帯止めの金物《かなもの》を合せた。
「それでも
安心して下さい。身なんぞ投げはしませんから、――」
「莫迦《ばか》な事を云うな。....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
ね」手洗いの湯をすすめに来た母はほとんど手柄顔《てがらがお》にこう云った。自分も
安心をしなかったにしろ、
安心に近い寛《くつろ》ぎを感じた。それには粘液の多少のほ....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
じ母になったのである。神父は胸を反《そ》らせながら、快活に女へ話しかけた。
「御
安心なさい。病もたいていわかっています。お子さんの命は預りました。とにかく出来る....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
に馬の足掻《あが》くのを叱って、
「ええ、渡しました。」
「そうか。それでおれも
安心した。」
「ですが――」
「ですが? 何だい。」
「急には御返事が出来ないと....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
。
諸君
諸君は青年の芸術の為に堕落することを恐れている。しかしまず
安心し給え。諸君ほどは容易に堕落しない。
又
諸君は芸術の国民を毒す....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
ちらの物です。煙客先生もあの図では、ずいぶん苦労をされたものですが、今度こそはご
安心なさるでしょう。そう思うだけでも愉快です」
王氏も得意満面でした。
「今日....
「たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
れて行った。たね子はテエブルに向かいながら、まずそこには彼等以外に誰もいないのに
安心した。しかしこの店もはやらないのかと思うと、夫のボオナスにも影響した不景気を....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
尾鰭《おひれ》を動かしていた。
「ああ、鮒が声をかけたんだ。」
僕はこう思って
安心した。――
僕の目を覚ました時にはもう軒先《のきさき》の葭簾《よしず》の日....
「運」より 著者:芥川竜之介
す。そこで、娘も漸《ようや》く、ほっと一息つく事が出来ました。」
「私も、やっと
安心したよ。」
青侍《あおざむらい》は、帯にはさんでいた扇《おおぎ》をぬいて、....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
な眼を開きました。 「遠藤さん?」 「そうです。遠藤です。もう大丈夫ですから、御
安心なさい。さあ、早く逃げましょう」 妙子はまだ夢現のように、弱々しい声を出し....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
を看守りたり。出立つ前に年寄の忠告にも、「旅は明日志す所へ着くというその夜は誰も
安心して必ず其所で竊みに逢うものなり」とありたれば、今宵こそ大事なれとその胴巻を....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
へ帰ってお神さんに赤児を見せると、子のないお神さんが大変喜んでくれたので、ほっと
安心しました。しかし伊作に口止めされているので、小判の話なぞは一言も言いませんで....