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安心立命
「安心立命〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
安心立命の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「船医の立場」より 著者:菊池寛
銘々に深い感激を受けずにはおられなかった。 「なんという英雄的な、しかも哲学的な
安心立命《あんじんりつめい》であろう」 提督は深い溜め息とともにそう呟《つぶや....
「食魔」より 著者:岡本かの子
うものを突き詰めて行くのは、安道学らしくて身慄いが出るほど、怖気が振えた。結局、
安心立命するものを捉えさえしたらいいのだろう。死の外にそれがあるか。必ず来て総て....
「春昼」より 著者:泉鏡花
まいと思っておいでなさる、少い人たちが、かえって祖師に憧がれてます。どうかして、
安心立命が得たいと悶えてますよ。中にはそれがために気が違うものもあり、自殺するも....
「鵞鳥」より 著者:幸田露伴
治の天子様は、たとえ若崎が今度失敗しても、畢竟は認めて下さることを疑わない」と、
安心立命の一境地に立って心中に叫んだ。 ○ 天皇は学校に臨幸あらせら....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
ロイドンへ――。 車中、じぶんへの私語。 『どうだい、胸騒ぎはやまったかい。』
安心立命!
安心立命! あん・しん・りつ・めい! そのうちに新開地のクロイ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
ある。宗教から一切の恐怖、一切の不安が引き離された時にこそ、地上の人類は、初めて
安心立命の境地に立ち得るものといえる。 尚お爰にモウ一つ断って置きたいことは、....
「創作余談」より 著者:太宰治
で、いやいや、そう言ってもいけない、この作者、元来、非惨を愛する趣味家であって、
安心立命の境地を目して、すべて崩壊の前提となし、ああ、あとの言葉は、諸兄のうち、....
「青春論」より 著者:坂口安吾
て命を落すかと思うと夜も心配で眠れなかった。とはいえ、剣の才能がなくて、剣の力で
安心立命をはかるというわけにも行かないので、結局、いつ殺されてもいいという覚悟が....
「女性の諸問題」より 著者:倉田百三
とをいうのにすぎない。 信仰の中心はそういう様式上の問題などにあるのではなく、
安心立命の問題にあるのだ。自分のうけているこの一個のいのちがこの宇宙とひとつに帰....
「生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
がいに照らし合っている。ただ自分に気がつかないだけである。私はそれで、自分自身の
安心立命と申しますものを、自分に何かの価値があるからとか、そういうふうなところに....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
無量であることを身を以て証する時、我々はこの身ながらみ仏と成ったのであり、初めて
安心立命することが出来るのだ。 この宇宙とひとつにならずに、限りなきいのちを得....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
ている、胡蝶さながらに憐れに不憫に、むごたらしくさえ見えるけれど、心境は澄み切り
安心立命、すがすがしくさえあるのであった。 短い沈黙が二人の間にあった。 「い....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
手紙も母宛ですが、私のために書かれた一節があるので写して置きました。 お君さんの
安心立命の出来ぬは矢張倫理とか宗教とかの本を読まぬ為めと存候。福岡にて買ひし本の....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
快楽を求め、法律上の不平は流れて宗教内の満足となり、不満不平の人をして、おのおの
安心立命の境裏に住せしむるなり。もし世に宗教なかりせば、政治上得たるところの不平....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
、また生え延びするところを人生の常として説明してあるのであります。それならどこに
安心立命はあるか。そのような無限の鼬ごっこでは、結局|疲労儲けではないか。ちょっ....