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安息
「安息〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
安息の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
っと行く手を見つめている兄の顔が、やさしく、おごそかに映っている。彼は、限りない
安息が、おもむろに心を満たして来るのを感じた。母のひざを離れてから、何年にも感じ....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
す鮎《あゆ》の群、――彼はほとんど至る所に、仲間の若者たちの間には感じられない、
安息と平和とを見出した。そこには愛憎《あいぞう》の差別はなかった、すべて平等に日....
「星座」より 著者:有島武郎
。そして眼をつぶって、じっと川音に耳をすました。そこから何んの割引もいらぬ静かな
安息がひそやかに近づいてくるようにも思いながら。
その夜はしかし思うようには寝....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
りつづけていた。千二百十二年の三月十八日、救世主のエルサレム入城を記念する棕櫚の
安息日の朝の事。 数多い見知り越しの男たちの中で如何いう訳か三人だけがつぎつぎ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
精霊と時期とを創造した。この永遠の存在にもまた同時にあらゆる生ける存在にも覚醒と
安息との期間が交互に周期的にやってくる。人間界の一年は霊界の一日に当り、霊界の一....
「橋」より 著者:池谷信三郎
いら彼女を探ることはなかったのではないか。 答。人間は他人の主観の中に、けっして
安息していられるものではありません。あらゆる事実に冷やかな客観性を与えたがるもの....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
る。その眼には恐怖など宿っていないのみならず、却ってそこに現われているこころよい
安息と博愛とが、皇帝には温和な主婦のごとく、慈愛ふかい姉のごとく母のごとくにさえ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
平和の清き雰囲気の裡に包まれ、生きては輝かしき人間の模範と仰がれ、死すれば直ちに
安息の境地に迎えられて、平和の真光に浴するのである。 それから又他の霊媒達は、....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
い仕科をして見せた。そうして、さらに話しつづけた。 「私はもうそれがために平和も
安息も得られないのです。あの幽霊はなんだか苦しそうなふうをして、何分間もつづけて....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
一 悪夢よ、私の
安息を乱さないでくれ。 闇の力よ、私を悩まさないでくれ。 印度という国が英国よ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
のである。どうぞ助かるようにと、私はかさねて言う。 九月十四日。日曜日にして、
安息日。わたしの気遣っていたことが、いよいよ実際となって現われた。 唯一の逃げ....
「二葉亭四迷」より 著者:内田魯庵
苦痛を叫んでるものは多いが、その大多数は自己一身に対しては満足して蝸殻の小天地に
安息しておる。懐疑といい疑惑というもその議論は総てドグマの城壁を固めて而してドグ....
「涸沢の岩小屋のある夜のこと」より 著者:大島亮吉
られていた。そしてひと音きかぬ静けさが、その下に落ちていた。おおらかな夕べのこの
安息のうちに山々は自分たちをとりまいて立っていた。自分たちはこれからこの涸沢のカ....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
いざると、第二に、経文および唱歌みなヘブライ語を用うると、第三に、土曜日をもって
安息日と定め、金曜日の晩と土曜日の朝とに礼拝式を行うと、第四に、堂内に入るものは....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
岡紙ばこ屋の注文とりも始めた。なにしろたった二畳とはいえ、帰京以来初めての独立の
安息所である。うれしかった。私は心身ともに張切って矢でも鉄砲でも持ってこい、と勢....