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「安房〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

安房の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
》が斎部の諸氏《もろうじ》を従え、沃壌地《よきところ》を求《ま》き、遥に、東国の安房の地に拓務を図ったのに、加えられて、東国に来り住んだ。種族の血を享けてか、情....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の悪党なんかは『おれの死ぬときは畳の上じゃあ死なねえ。三尺高い木の空《そら》で、安房上総《あわかずさ》をひと目に見晴らしながら死ぬんだ』なんて大きなことを云った....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
して別れる。そうして、その年の暮に万歳が重ねて江戸へ下《くだ》ると、主《おも》に安房《あわ》上総《かずさ》下総《しもうさ》から出て来る才蔵は約束の通りその定宿へ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
伝馬や荷足船がおびただしく漕ぎ出した。なかには屋根船で乗り込んでくるのもあった。安房上総の山々を背景にして、見果てもない一大遊園地と化した海の上には、大勢の男や....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
たしが語ろうとするのは、その里見の家がほろびる前後のことである。忠義の先代義康は安房の侍従と呼ばれた人で、慶長八年十一月十六日、三十一歳で死んでいる。その三周忌....
単独行」より 著者:加藤文太郎
なく、水の流るるところは土崩れを生じ道なくなかなか困難なり、それより中ノ湯を上り安房峠へいたる。なかなか深山らしき大森林なり(ブナ帯)笹原を下り、平湯に出ず(十....
田原坂合戦」より 著者:菊池寛
自ら西下して、西郷に説こうとしたが、周囲の者に止められた。岩倉具視も心配の極、勝安房をして行って説諭させんとした。これは江戸城明け渡しの因縁に依って、それを逆に....
真田幸村」より 著者:菊池寛
侯に比ぶれば、いくらかましかも知れない。 信幸、家康の許へ行くと、家康喜んで、安房守が片手を折りつる心地するよ、軍に勝ちたくば信州をやる証ぞと云って刀の下緒の....
」より 著者:岡本綺堂
江戸へ飛んでくる鷲の類は、深川|洲崎の方面、または大森羽田の方面に多く、おそらく安房上総の山々から海を渡って来るのであろうと伝えられていた。たとい人間をつかむと....
秋の筑波山」より 著者:大町桂月
らずとは、三楽の事也。滅亡に瀕せる上杉氏を助けて、旭日の勢ある北条氏に抗したり。安房の里見義弘と結びたるも、鴻の台の一戦に大敗したり。越後の上杉謙信を頼みたるも....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
ぞは有るのか無いのか解らない。これに対抗する里見勢もまた相当の数だろうが、ドダイ安房から墨田河原近くの戦線までかなりな道程をいつドウいう風に引牽して来たのやらそ....
雪柳」より 著者:泉鏡花
絵の盥などは、おッつけ故郷から女房が、大船で一艘、両国橋に積込むと、こんな時は、安房上総の住人になって饒舌るから、気のいい差配は、七輪や鍋なんぞ、当分は貸したも....
古事記」より 著者:太安万侶
これは牟宜都《むげつ》の君等の祖先です。この御世に田部をお定めになり、また東國の安房の水門《みなと》をお定めになり、また膳《かしわで》の大伴部をお定めになり、ま....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
官の山下中将をもわずらわして不足の資料を収集した。昭和元年から二年への冬休みは、安房の日蓮聖人の聖蹟で整頓した頭を以て、とにかく概略の講義案を作成した。もちろん....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
の叔父の話を思い出した。叔父は「御維新」以前には新刀無念流の剣客だった。(叔父が安房上総へ武者修行に出かけ、二刀流の剣客と試合をした話も矢張り僕を喜ばせたもので....