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安楽椅子
「安楽椅子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
安楽椅子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春」より 著者:芥川竜之介
《ねまき》に着換えた上へ、羽織だけ紋《もん》のあるのをひっかけたまま、円卓の前の
安楽椅子《あんらくいす》へ坐った。
「ただ今お茶をさし上げます。」
辰子《たつ....
「路上」より 著者:芥川竜之介
か》に小綺麗《こぎれい》に出来上っていた。彼はその部屋へ大きな西洋机《デスク》や
安楽椅子の類を持ちこんで、見た眼には多少狭苦しいが、とにかく居心《いごころ》は悪....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
謀中村少佐は、西洋風の応接室に、火のついたハヴァナを啣《くわ》えながら、ぼんやり
安楽椅子によりかかっていた。
二十年余りの閑日月《かんじつげつ》は、少将を愛す....
「聖書」より 著者:生田春月
ウィスキイの瓶と妙な恰好をしたキュラソオの瓶とを盆に載せて持って来た時、Kさんは
安楽椅子にずっと反身になって、上靴をつけた片足を膝の上に載せて、肱をもたげて半ば....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
だし、森おじさんの書斎へ忍びこんで、散々に秘密の楽しみを味わった後、そこにあった
安楽椅子に豪然と凭れて、おじさん愛用の葉巻をプカプカやっていた。すると誰もいない....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
チノと書いてありますよ、と返辞をして、その電話を切った。ジュリアは倒れるように、
安楽椅子に身を投げかけた。 西一郎は、電話の終るのを待ちかねていたように、ジュ....
「海底大陸」より 著者:海野十三
きの議論にかえり、海底超人の発生起源について、わしの論をすすめましょう」 と、
安楽椅子から腰をあげたのは、生物学者として世界一と折紙をつけられているストックホ....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
して男女合唱がとび出して来ると、すぐスイッチをひねって消し、それから煙草をつけて
安楽椅子へ腰を下ろしたんだが、忽《たちま》ち彼はバネ仕掛の人形のようにとびあがっ....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
地に黒の模様のある小絨毯が重ねてあった。その小卓子と向きあった麻のカバーのついた
安楽椅子の中に、当家の主人旗田鶴彌氏が、白い麻の上下の背広をきちんと着て、腰は深....
「暗号音盤事件」より 著者:海野十三
きたのか、私には皆目呑こめない。 「何が日本人の名誉にかかわるんだい」 私は、
安楽椅子に腰を深く下ろしたまま、ウェルスの小説本の続きを読みながら、たずねた。 ....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
って闘っていた僕は、遂に負けてしまったのである。 その次に気がついた時は、僕は
安楽椅子の中に身体を埋めていた。 「日本人には似合わず、君は気が弱いじゃないか」....
「火星兵団」より 著者:海野十三
魚雷のお尻みたいなものの中は、たいへんに広いのであった。
室内は、どこのかべも
安楽椅子の背中のようにじょうぶにされ、ゆびでおしてみると、中には強い「ばね」がは....
「人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
ね」 「それからどのくらいたったかしれないが、気がついてみると、僕はいつの間にか
安楽椅子のうえにながながと寝ていたんだよ」 「あら、じゃ兄ちゃんは、博士からよほ....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
ないようにし、机の前の椅子に腰をおろした。椅子は蜥蜴の皮に近い、青いマロック皮の
安楽椅子だった。僕は鞄をあけて原稿用紙を出し、或短篇を続けようとした。けれどもイ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ら、「神様は天に善行の証しを示した」といった。 終に一八六七年八月二十五日に、
安楽椅子によりかかったまま、何の苦しみもなく眠るがごとくこの世を去った。遺志によ....