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「安治川〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

安治川の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
とでございましたろう。 大阪の天保山を切ったのも近ごろのことでございます。かの安治川《あじがわ》を切った人は実に日本にとって非常な功績をなした人であると思いま....
わが町」より 著者:織田作之助
はいり、この七年間にたいていの日本の海は潜って来、昨日から鶴富組の仕事で、大阪の安治川へ来ているのだと、次郎は語った。 「……もっとも、こんどのはたいした仕事じ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
んで来る家老たちもある。 その日、十四日は薩州藩から護衛兵を出して、小蒸汽船で安治川口に着く各国公使を出迎えるという手はずであった。その日の主人役はなんと言っ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
この旅僧を待っている。それが終ると、瀬戸内海を縫うてまた浪速《なにわ》へと志し、安治川《あじかわ》を上って京の伏見より江州を経て勢州に至り、尾張、三河、遠江《と....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
食料等を準備し、藩の所有の荷船を特別に仕立ててもらい、それに乗って大阪を発した。安治川《あじがわ》口まで下って、汐合や風を見計って天保山沖へ乗出すのである。安治....
赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
とも」 鈴木利右衛門が膝を進めた。 「まさか海賊赤格子が身分を隠して陸へ上り、安治川一丁目へ酒屋を出し梶屋などという屋号まで付けて商売をやって居ようなどとは夢....
みやこ鳥」より 著者:佐藤垢石
こよりも交通不便な土佐の国を品定めした。夜の急行列車で一気に大阪まで落ちのびた。安治川口から汽船で美しい高知港の牛江へ入ったのは春の陽が和やかに照った眞ひるであ....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
望します」 こう言うて降壇してしまった。 「議長質問」と呼声高く立ち上ったのは安治川舟三という石炭商であった。 「これは、私の立場から申しますとまことに変なよ....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
安治川尻に浪が立つのか、寝しずまった町の上を、しきりに夜鳥が越えて行く。 びッ....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
ない死を遂げた唐草銀五郎の真心にうごかされて、初志をひるがえした弦之丞は、まず、安治川の蜂須賀家の様子をほぼ見届け、阿波守が帰国する船出までを確かめて大急ぎに、....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
と初めて、ホッとしたらしく答えたのは、阿波守、三位卿などとともに、昨年大阪表の安治川から、卍丸でこの阿波の国元へ帰っている森啓之助なのである。 あの時、森啓....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
らしい。――それをみても、弦之丞と申すやつは、一癖あると見えまする」 かつて、安治川の下屋敷で、月山流の薙刀をつけ、したたかに弦之丞のために投げつけられたこと....
治郎吉格子」より 著者:吉川英治
ちをつきながら、匕首で月光を斬った。 「――ひッ、人殺しだあっ」 絶叫が、月の安治川から、海へ走った。 「けッ、女々しい声を出しやがる。病人を斬って逃げ出すよ....
わが町」より 著者:織田作之助
はいり、この八年間にたいていの日本の海は潜って来、昨日から鶴富組の仕事で、大阪の安治川尻へ来ているのだと、次郎は語った。 「いや、こんどのはたいした仕事じゃない....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
働で疲れ切っていた私は、いくぶん肉体労働にはうんざりしていた。 石炭屋は大阪の安治川あたりにかたまっていたので、俵松にいる間から、使いにやらされるたびに安治川....