安眠[語句情報] » 安眠

「安眠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

安眠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
を疑ったのは、勿論の事でございます。しかし、私の頭脳は少しも混乱して居りません。安眠も出来ます。勉強も出来ます。成程、二度目に第二の私を見て以来、稍《やや》とも....
或る女」より 著者:有島武郎
い返してふとんを耳までかぶった。そしてだいぶ夜がふけてから倉地が寝に来るまで快い安眠に前後を忘れていた。 二四 その次の朝女将と話をしたり、呉服屋を呼んだ....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
なことを云って強がっていた連中も、仕舞いにはみんな降参したらしく、夜の明けるまで安眠した者は一人もなかった。夜が明けて、雨が晴れて、ほっとすると共にがっかりした....
怪星ガン」より 著者:海野十三
。その返事は、人をばかにしたようなものだった。 「本艇は、貴艇団のまん中において安眠することができない。また、いうまでもなく、本艇の行動は自由である。されど貴艇....
大脳手術」より 著者:海野十三
が引受けてうまくやるから、君は安心して睡れといって呉れた。お蔭で私は、ぐっすりと安眠することができた。 朝が来た。窓が明るくなると、私は反射的に跳起きた。愕く....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
も述べたとおり、私の躯はだんだん衰弱して来たのでございます。床についてもさっぱり安眠ができない……箸を執っても一|向食物が喉に通らない……心の中はただむしゃくし....
貞操問答」より 著者:菊池寛
と、ハイヒールの靴音が、大またに自分を追うて来たかと思うと寝しずまった町並の家の安眠妨害になりはしないかと思われる大声で、 「あら、新子姉さんじゃないの。今頃、....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ひろがって、ついにはその容貌全体に新しい性格を生ずるに至るのである。彼はまったく安眠することが出来ない。そうして、夜なかにも彼が何か呶鳴っているのをよく聞くこと....
指輪一つ」より 著者:岡本綺堂
なるようだが……。」 実際、僕は気分がよくなかったのです。高山以来、毎晩碌々に安眠しない上に、列車のなかに立往生をしたままで、すし詰めになって揺すられて来る。....
あの世から便りをする話」より 著者:海野十三
めろと言っても止めませぬ。しかも受信機がなくてこれが聴えるから、洵に始末が悪い。安眠も出来ないから、お止めを願いたいというのであります。 さて、乗込んで来た人....
二階から」より 著者:岡本綺堂
に露宿した夕、宵の間は例の蛙どもが破れた笙を吹くような声を遠慮なく張上げて、私の安眠を散々に妨害したが、夜の更けるに随ってその声も漸く断えた。今夜は風の生暖い夜....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
幾ら気が張っていても、疲労には勝たれぬ。市郎は昨夜雨中を駈廻った上に、終夜殆ど安眠しなかった。加之も今朝は朝飯も食わなかった。疲労と不眠と空腹とが重った上に、....
西航日録」より 著者:井上円了
かるに、諺に「安かろう悪かろう」といえるがごとく、夜中南京虫に攻められ、ほとんど安眠を得ざるには実に閉口せり。夕刻より街上の雑踏、コーヒー店の群集、あたかも先年....
ある日の午後」より 著者:小川未明
々だと考えた。何となればこんなに朝早くから起きているのを見ると、多くの人々がまだ安眠している時分にも、生活の為に働いているのであろうと感じたからであった。 私....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
くりと飛び起きた。 「出よう出よう、ね、諸君、僕のところの甲板に来たまえ。ここは安眠妨害だよ。さあ、出よう。」 出ましょう出ましょうで、一同がどかどかと階段を....