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「安着〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

安着の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
鰊漁場」より 著者:島木健作
れた漁夫たちが、津軽及道内の各地から全部あつまった夜、大丸の旦那の家の大広間では安着祝があった。 正面の神棚には燈明が赤々とともっている。漁夫たちは真新しい青....
」より 著者:島崎藤村
は、真実に無いと言っても無い……葉書一枚買うことも出来ませんでしたよ、母が、国へ安着の報知を出しとくれ、ちょいとコマカイのが無いからお前の方で立替えといとくれッ....
怪星ガン」より 著者:海野十三
ル艇長」 スコール艇長はマフラーの中で顔をゆすぶって笑った。 「よし、満足だ。安着祝いに、みんなに一ぱいのませてやれ」 「え、みんなに一ぱい?」 「おれの乗っ....
大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
、無電員が、受信紙を持って来た。 “第四斥候隊報告。わが隊は只今火星の中部地方に安着せり。指揮を待つ……” 「よし! 本艇は目下火星へ向って急行中だと伝えろ」 ....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
露西亜人のボーイには必要以上の好意を示すこと。 神仏どっちでもいいから、絶えず安着を祈ること。 知っていていい露西亜語。 こは何なりや――シト・エト・タコ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の船を独創したことは事実であるが、それを首尾よく運送して、初航海を無事にここまで安着せしめた成功の大半は、この放縦無頼《ほうじゅうぶらい》のウスノロのマドロスの....
河霧」より 著者:国木田独歩
で、大阪京都をも見ないで直ちに東京へ乗り込んだ。 故郷の朋友親籍兄弟、みなその安着の報を得て祝し、さらにかれが成功を語り合った。 しかるに、ただ一人、『杉の....
若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
ころへ帰ります。元気でいなさいね。すぐに迎えに来ますからね。」 その晩、メグが安着の知らせる手紙をおとうさんへ書いているとき、ジョウは二階のベスの部屋にそっと....
無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
「では、ごきげんよう船長。愉快な航海をつづけて、たくさんのえものをつんで、日本に安着してください」 といって、龍睡丸が舷側にひいてきた、水先ボートに、乗りうつ....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
けてきます。その旅装のために戻ってきたのです。彼女は今夜は京都の叔父のもとに無事安着するに相違ありませんから、だまって引きとっていただきましょう。言語無用。だま....
十年後のラジオ界」より 著者:海野十三
を、警察庁|公示事項のニュースとしてC子の姿を放送する。それは、一ツには冥土への安着を報せ、二ツには娑婆に債権者でもあれば今の内に申し出て、何とか解決方法をとら....
取舵」より 著者:泉鏡花
劈きて轟けり。万事休す! と乗客は割るるがごとくに響動きぬ。 観音丸は直江津に安着せるなり。乗客は狂喜の声を揚げて、甲板の上に躍れり。拍手は夥しく、観音丸万歳....
瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
二月なり。首尾能く彼岸に達して滞在数月、帰航の途に就き、翌年|閏五月を以て日本に安着したり。 これぞ我大日本国の開闢以来、自国人の手を以て自国の軍艦を運転し遠....
西航日録」より 著者:井上円了
的を達するを得。再び白馬にむちうちて雪嶺を越え、ここに身心を全うしてカルカッタに安着せられたるは、仏教のため、および国家のために、大いに喜ぶべく、かつ祝すべきな....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
義暁両氏、本船に来たりて迎えらる。十時上陸、十一時新橋着。四、五十名の諸氏、余の安着を迎えて停車場内にあり。深くその友情の厚きを謝す。帰着の所感一首あり。 背。....