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完全
「完全〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
完全の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春」より 著者:芥川竜之介
い》。大村へはわたしから電話をかけて置くわ。」
広子は妹の顔を見るなり、いつか
完全に妹の意志の凱歌《がいか》を挙げていたことを発見した。この発見は彼女の義務心....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
就《じょうじゅ》したと云うばかりではない。すべてが、彼の道徳上の要求と、ほとんど
完全に一致するような形式で成就した。彼は、事業を完成した満足を味ったばかりでなく....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
るものではない。いや、我我の自己|欺瞞《ぎまん》は一たび恋愛に陥ったが最後、最も
完全に行われるのである。
アントニイもそう云う例に洩《も》れず、クレオパトラの....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
また自分としても、如上の記述に関する引用書目を挙げて、いささかこの小論文の体裁を
完全にしたいのであるが、生憎《あいにく》そうするだけの余白が残っていない。自分は....
「或る女」より 著者:有島武郎
えた。二人《ふたり》の幸福はどこに絶頂があるのかわからなかった。二人だけで世界は
完全だった。葉子のする事は一つ一つ倉地の心がするように見えた。倉地のこうありたい....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
、自然に漂っていて、脂肪気のない君の容貌をも暖かく見せていた。「なんという無類な
完全な若者だろう。」私は心の中でこう感嘆した。恋人を紹介する男は、深い猜疑の目で....
「親子」より 著者:有島武郎
たのはどの辺にあたるのか」 「藤田の小屋はどれか」 「ここにいる者たちは小作料を
完全に納めているか」 「ここから上る小作料がどれほどになるか」 こう矢継ぎ早や....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
かれる言葉はいつでも流暢であるためしがない。心から心に通う為めには、何んという不
完全な乗り物に私達は乗らねばならぬのだろう。 のみならず言葉は不従順な僕である....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
で、これからそなたも早速この精神統一の修行にかからねばならぬが、もちろん最初から
完全を望むのは無理で、従って或る程度の過失は見逃しもするが、眼にあまる所はその都....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
、低級未発達の魂の集団である』と、のべてあるのは至言である。『悪』とはつまり『不
完全』、又は『未発達』の代名詞で、純粋の悪霊そのものは存在せぬ。どんな悪霊でも、....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
だった。この話は勿論話自身も薄気味悪いのに違いなかった。しかし彼の肖像画はどこも
完全に描いてあるものの、口髭だけはなぜかぼんやりしていた。僕は光線の加減かと思い....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
姿を見たのだからたしかである! 吾々の記憶というものは、この世界などよりも遥かに
完全な世界なのだ。記憶は既に生存していないものに生命をあたえるのだ。 私の手は....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
とは、彼の虚栄心をなみなみならず満足させたものである。そこに立つと、彼は牧師から
完全に勝利をうばいとったような気がしたのだ。たしかに彼の声はほかの会衆一同の声よ....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
命の一片は、思いのままに滅ぼすことが出来るのだ。滅ぼせば、何も無くなってしまう。
完全に無くなってしまうのだ。腐ってしまえばそれが終りだ。 六月二十六日―― ....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
ばなりません。これ、わが不信任案賛成の第一の理由であります。 第二には、日本の
完全独立と平和確保のためにその退陣を要求するものであります。お互いの愛する祖国日....