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完膚
「完膚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
完膚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「誰」より 著者:太宰治
すべ》ての権威と栄華とをもっている。」 ここに於いて、かの落第生伊村君の説は、
完膚《かんぷ》無《な》き迄《まで》に論破せられたわけである。伊村説は、徹頭徹尾|....
「古典風」より 著者:太宰治
グリパイナの身体の成熟と共にはじまった。彼女の男性嘲笑は、その結婚に依《よ》り、
完膚《かんぷ》無きまでに返報せられた。婚礼の祝宴の夜、アグリパイナは、その新郎の....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
廃めるんだぞ)そう言い聴かせてから、半年もうかうか経ってしまった。もはや豹一は、
完膚なきまでに自分を軽蔑していた。余り毎日退屈だったので、彼は「本邦畳史」の記事....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
ン号の最後だった。 船長リンドボーン大佐以下四十五名の乗組員は、敵国の首都を、
完膚なきまでに爆撃した彼等の武勲を、唯一の慰めとしてアクロン号と運命を共にした。....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
いました。下宿屋を二、三度持ちあるいたり、三、四度も転居したりしたので、ほとんど
完膚なしと云うほどに疵だらけになっていましたが、それが使い馴れていて工合がよいの....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
堂々の論陣を張り、攻撃的答弁を以て、一々支倉の妄を難じ、嘘言を責め、彼をして殆ど
完膚なきに到らしめた。 支倉が金科玉条と信じ、金城鉄壁と頼み、繰返し強訴した所....
「李陵」より 著者:中島敦
)妥協性はなかったが、どこまでも陽性で、よく論じよく怒りよく笑いなかんずく論敵を
完膚《かんぷ》なきまでに説破することを最も得意としていた。 さて、そうした数年....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
一巻の絵本のうち、女という女の面《かお》は、どれもこれも、突かれたり汚されたり、
完膚《かんぷ》のあるのは一つもないという有様でした。 「あんまり、これでは悪戯《....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
他、参覲交代《さんきんこうたい》の大名という大名で、この下郎共の口の端にかかって
完膚《かんぷ》のあるのはないが、百万石、加賀様だけは別扱いになって、さのみ悪評が....
「雨」より 著者:織田作之助
で支えられて生きているのは、何か生の義務に反くと思うのだった。妓に裏切られた時に
完膚なきまでに傷ついた自尊心の悩みに駆りたてられていた。熱が七度五分ぐらいまでに....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
…」 層々と畳みかけて来る夫人の、一言一言|剣を並べたような鋭い侮辱に、新子は
完膚なきまでに斬り苛まれながらも、返すべき言葉は見当らず、ただじっとこらえる全身....
「雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
思いにあるいは目の玉をえぐり、あるいは耳をちぎりあるいはへそを引き裂いて、もはや
完膚なしと見るといつせいに引き揚げてさらに他の作に群つて行く状は凄愴とも何とも形....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
ジュリアン・バンダがフランス本国から近著した雑誌で、ヴァレリイ、ジイド等の大家を
完膚なきまでに否定している一方、ジャン・ポール・サルトルがエグジスタンシアリスム....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
酒を一鉢|賭けた。当然それは彼のものになるところだった。デアデヴィルは化け物馬を
完膚ないまでやっつけたのだ。ところが、ちょうど彼らがこの教会の橋まできたとき、ヘ....
「私の机」より 著者:岡本綺堂
していました。下宿屋を二、三度持ちあるいたり、三、四度も転居したりしたので、殆ど
完膚なしというほどに疵だらけになっていましたが、それが使い馴れていて工合がよいの....