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「宏い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

宏いの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
愛は神秘な修道場」より 著者:宮本百合子
くあみ》の単一なAならA、BならBには還ることがないと云うことです。きっと、より宏い人生への理解、愛、認識が加えられています。恋愛ばかりは、真に主観的な豊富さか....
私の覚え書」より 著者:宮本百合子
いが、左様な大事に面し、其れがどう展開して行くか。自分の運命の在り場所が、深い、宏い海の底を覗き桶で見るように、私にわかった。遙かな東京の渾沌、燼灰、死のうとす....
大切な芽」より 著者:宮本百合子
は、それにいろいろ理窟をつけて考えて見た。女というものは、概して自分を発育させ、宏い確かな地盤の上で生きようとする本能的な熱意が男より少いのではないか、家が幸福....
初夏(一九二二年)」より 著者:宮本百合子
静かなケイを震わせる時が来るだろう。 八月三十日 不図 軌道を脱れた 星一つ宏い 秋の空間を横切って 墜ちた。 何処へ行くのか―― 自然は....
長崎の一瞥」より 著者:宮本百合子
え、腰掛《ピュー》は一脚もない。大浦の祭壇や聖像は生花の束で飾られて居たが、この宏い大聖壇を埋めるに充分な花は得難いと見え、厚紙細工の棕櫚らしいものが、大花瓶に....
唖娘スバー」より 著者:タゴールラビンドラナート
つも忙しい世界が、その働きをぴたりと止めて、急に淋しくおそろしいように成った時、宏い宏い、心に喰い入るような空の下には、唯、物を云わない自然と、こそりともせず坐....
石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
一 秋森家というのは、吉田雄太郎君のいるN町のアパートのすぐ西隣にある相当に宏い南向きの屋敷であるが、それは随分と古めかしいもので処まんだらにウメノキゴケの....
日記」より 著者:宮本百合子
たや、模様ある襖は、僧服の濃い色彩とひどく相殺する結果になり、ほの暗く、大きく、宏い寺院の本堂で見る美、宗教的優美が全然欠ける。 誠夫氏頻りに、来てくれた名士....