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「宗教心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

宗教心の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新生」より 著者:島崎藤村
じようとならば、いくらも彼女の行く道はありそうに思えた。岸本に言わせると、彼女の宗教心は、言わば心の芽だ。そのかわり彼女には子供の時分から無理に注《つ》ぎ込まれ....
愛と美について」より 著者:太宰治
が、不思議に、言い合せたように、平気でドイツ式一方である。伝統というものは、何か宗教心をさえ起させるらしい。数学界にも、そろそろこの宗教心がはいりこんで来ている....
科学と文学」より 著者:寺田寅彦
る。 また、ある少女が思春期以前に暴行を受けてその時の心の激動の結果が、熱烈な宗教心となって発現する。そうして最も純潔な尼僧の生活から、一朝つまらぬ悪漢に欺か....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
しっくりに触れずにはいられない。すなわち互いに傷つけずには生きられないのである。宗教心とはこの恐るべきさだめの内にかえって造り主の愛を見いだす心をいうのであろう....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
ア博士と共に、頻りに死後の生命の有無、その他人生諸問題につきて討究を重ねた。彼の宗教心は飽くまで強いのであるが、しかし在来の神学的ドグマは、到底彼の鋭利直截なる....
ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
なり招待者ともなった。そして、彼は今まではずっと慈善行為で知られていたが、今では宗教心でもそれに劣らず有名になった。彼は忙しく活動し、多く戸外に出て、善行をつん....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
をも馬鹿をも許していた。彼女は言っていた。 「世間は持ち寄りですよ。」 彼女は宗教心で支持されているのだ、とクリストフは想像した。しかしある日彼女は、自分より....
女性の諸問題」より 著者:倉田百三
男子を正義と事業とに励ますことであろう。 がその女性の霊性というものは、やはり宗教心まで達しないと本当の光りを放つことは期待できない。霊性というものも粗鉱や、....
次郎物語」より 著者:下村湖人
さとに思いいたり、ついに、ある神秘的なものにさえふれていったのである。これが彼の宗教心の芽生えでなかったと、誰が言い得よう。 この時の彼の深い感激は、彼をして....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
自分を失わずに切りぬけて来たからだ。 正直で、感情が豊かで、諸芸がよく出来て、宗教心が深いこと、しかし実務上の処世術にうとく、余程がっちりと努力しなくては世間....
啄木と賢治」より 著者:高村光太郎
どれをよんでみても心が清められ、高められ、美しくされないものはありません。非常に宗教心にあつく、法華経を信仰して、まるで菩薩さまのような生活をおくっていました。....
山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
国の芸術遺産として残る様になったか、其解き棄てになった不審が、いつまでも、民族の宗教心・審美観などといえば大げさだが、何かのきっかけには、駭然として目を覚ます、....
暗黒星」より 著者:黒岩涙香
十七 ここに至ると人心は妙なものだ。太古の人種と同じ様に一種|畏怖の意味を持った宗教心が起こって来た。かかる宗教心は最早数知れぬ長い時代の間、全く人心に忘れられ....
建国の事情と万世一系の思想」より 著者:津田左右吉
家の君主は、政治的権力と共に宗教的権威をももっていたらしく、種々の呪術や原始的な宗教心のあらわれとしての神の祭祀やが、その配下の民衆のために、かれらによって行わ....