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官吏
「官吏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
官吏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
並べている。これはただの履歴書ではない。文官と云わず武官と云わず、あらゆる天下の
官吏なるものの一生を暗示する象徴である。……
「それから一つ伺いたい言葉があるの....
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
た。が、体裁を繕う為により苦痛を受けなければならぬ中流下層階級の貧困だった。退職
官吏だった、彼の父は多少の貯金の利子を除けば、一年に五百円の恩給に女中とも家族五....
「河童」より 著者:芥川竜之介
が雄の河童を追いかけるのをもっと厳重に取り締まらないのです?」
「それは一つには
官吏の中に雌の河童の少ないためですよ。雌の河童は雄の河童よりもいっそう嫉妬心《し....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
まざきとうそん》が「もっと頭《かしら》をあげて歩け」と慷慨《こうがい》した、下級
官吏らしい人々が、まだ漂《ただよ》っている黄昏《たそがれ》の光の中に、蹌踉《そう....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
ございます。次いで、ウルムの高等裁判所長の Pflzer と申す男は、その友人の
官吏が、ゲッティンゲンにいる息子の姿を、自分の書斎で見たと云う事実に、確かな証明....
「或る女」より 著者:有島武郎
をしていた。五十川女史のそばにすわって、神経質らしく眉《まゆ》をきらめかす中老の
官吏は、射るようないまいましげな眼光を時々葉子に浴びせかけていたが、いたたまれな....
「星座」より 著者:有島武郎
いる。
白官舎はその市街の中央近いとある街路の曲り角にあった。開拓使時分に下級
官吏の住居として建てられた四戸の棟割長屋ではあるが、亜米利加《アメリカ》風の規模....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
《ひげ》を貯《たくわ》えて、洋服を着けたるより、渠《かれ》はかく言いしなるべし。
官吏?は吸い窮《つ》めたる巻煙草を車の外に投げ棄《す》て、次いで忙《いそが》わし....
「親子」より 著者:有島武郎
はじめて、父が商売上のかけひきをする場面にぶつかることができたのだ。父は長い間の
官吏生活から実業界にはいって、主に銀行や会社の監査役をしていた。そして名監査役と....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
時期には封建を必要とするのである。朝鮮の近世の衰微は、過早に郡県政治が行なわれ、
官吏の短い在職期間に、できるだけ多く搾取しようとした官僚政治により、遂に国民の生....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
と馬鹿々々しいようなのは、郵便ということが初めて出来た時は、官憲の仕事ではあり、
官吏の権威の重々しかった時の事ですから、配達夫が一葉の端書を持って「何の某とはそ....
「栃の実」より 著者:泉鏡花
く、千仭の谷へ流れた。 その裏座敷に、二人一組、別に一人、一人は旅商人、二人は
官吏らしい旅客がいて憩った。いずれも、柳ヶ瀬から、中の河内|越して、武生へ下る途....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
の、従って、探偵などと思ったのでは決してない。 一目見ても知れる、その何省かの
官吏である事は。――やがて、知己になって知れたが、都合あって、飛騨の山の中の郵便....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
け、どうかするとヘルメット帽などを頂き、繻子の大洋傘をついて山野を渡る。土木の小
官吏、山林見廻りの役人か、何省お傭の技師という風采で、お役人あつかいには苦笑する....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
章、位階、授爵等の恩賞をもって表彰する。一体統制主義の今日、国家の恩賞を主として
官吏方面に偏重するのは良くない。恩賞は今日の国家の実情に合する如く根本的に改革せ....