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官尊民卑
「官尊民卑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
官尊民卑の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
事件にまで不十分ながらも民有の権利を持ち出すようになったことを想って見た。これが
官尊民卑の旧習に気づいた上のことであるなら、とにもかくにも進歩と言わねばならなか....
「文学における今日の日本的なるもの」より 著者:宮本百合子
「時鳥厠なかばに出かねたり」の一句を送って出席しなかった。漱石は日本の伝統である
官尊民卑が文学の領域にまで浸潤することを快く思わなかったのであろう。感想に、文学....
「今日の日本の文化問題」より 著者:宮本百合子
たかな社会的生存と、そこに集積されてゆく人間的経験の文学表現とはなり得なかった。
官尊民卑の日本の社会で、文学者は一種の「よけい者」であった。文学者の生活環境は、....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
れたという次第だ。 併し官僚の役割の大きさはいつも同じだったのでは無論ない。「
官尊民卑の弊」は、日本の資本主義がブルジョアジー自身の足による一人立ちが出来るよ....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
云うべきものが確立しないに先んじて、まず吏道よ栄えよ、ということなのだ。之は単に
官尊民卑などと云って片づけることの出来ない処の、原則だ。 (一九三六・五) 一一....
「新たな世界主義」より 著者:豊島与志雄
まで日本人は、上下に貫く強力な組織の中に縛りつけられていた。封建主義、階級意識、
官尊民卑思想、其他いろいろな言葉で表現されるこの上下の組織は、つまり権力の上に成....
「アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
、この劇場に命名したることは、わが国のごとき一将功名成って万骨枯るるを怪しまざる
官尊民卑の風習に対して、善い教訓であると思うのである。 老いの繰....
「平民道」より 著者:新渡戸稲造
立をしない即ち英国王の司配の下《もと》に植民地として社会を構成した時に社会階級や
官尊民卑や男尊女卑の如き人格以外の差違を軽んじ、また職業によりて上下の区別をなし....
「民芸とは何か」より 著者:柳宗悦
置を有つことができず、愛を以て顧みる者がほとんどなかったのです。 ですがこれは
官尊民卑の余弊とも云いましょうか。富貴なものにのみ美を認める見方は、極めて貧しい....
「一九三七年を送る日本」より 著者:戸坂潤
不思議なことでも損失でもないかのようである。経済的依存主義と政治的事大主義(昔は
官尊民卑と呼ばれた)とは日本民衆の特色の一つで、之が日本型ファシズムの日本型たる....