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官有
「官有〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
官有の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「藁草履」より 著者:島崎藤村
を揚げて聞耳を立てました。向の楢林《ならばやし》――山梨の農夫が秣を刈集めている
官有地の方角から、牝馬の嘶《いなな》く声が聞えて来る。やがて源の馬は胴震いして、....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
止木のあるところは官木のあるところだとの理由の下に、それらの土地をもあわせすべて
官有地と心得よとの旨を口達した。この福島支庁の主任が言うようにすれば、五木という....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
学士を統領として、属員人夫アイヌ約二十人、此春以来|此処を本陣として、北見界かけ
官有|針葉樹林の調査をやって居るのである。別天地の小生涯、川辺に風呂、炊事場を設....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
いたのである。
「旧仙台藩伊達邦夷貸付地」
月日は記さなかった。当時それはまだ
官有地であった。しかし、それから幾ばくも経たないで、予定の通り彼らの手にはいった....
「日は輝けり」より 著者:宮本百合子
地整理を口実にして、M家の先代が――今年は八十に手の届く老人で隠居をしている――
官有地の払下げを請願して、成功した幾段歩かの田畑を、着服してしまったというのであ....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
蔵の現象については実例はいくらでもある。私有図書の退蔵ばかりではなく、却って公有
官有の図書の退蔵の方がいちじるしい現象でさえあるように見える。一般庶民には全く見....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
われなければならない、しかしてこれは、すべての永貸契約、賃貸契約、世襲財産、公有
官有の契約、抵当書入契約……。」
「木魂《こだま》よ、嘆けるニンフよ……。」とグ....
「薬」より 著者:井上紅梅
も合点して言った。 四 西関外の城の根元に靠る地面はもとからの
官有地で、まんなかに一つ歪んだ斜かけの細道がある。これは近道を貪る人が靴の底で踏....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
番の接近であった。その後間もなく、彼女一家には災難が起った。というのは仁田さんが
官有林の木を伐ったという嫌疑が小林区からかけられた。丑寅神社の絵馬殿を建てるため....
「魔都」より 著者:久生十蘭
し渡って空拳師になり、血眼の利権屋の上前を刎ねて甘い汁を吸っていたが、昭和五年の
官有林盗伐事件に引っかかり、アワヤというところを危うく体を躱して東京へ逃げ戻り、....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
地のことで田の用水は保たず、畑地にあっては、耕土の流亡を免れない場所)それが実は
官有地であって、『荒蕪地』という名目のもとに大蔵省の所管に属していたとかで、そし....
「飢餓地帯を歩く」より 著者:下村千秋
取るにゃ、この地方ではこの炭焼きするより外の方法はねえでさア。だが、この炭材は、
官有林から払い下げにゃならねえで、それが現金でなくっちゃいけねえですから、先ずそ....
「望郷」より 著者:服部之総
の大衆運動が国会開設請願の形で出発した第一年めの明治十二年、岩倉右大臣はすべての
官有の山林、鉄道、製造所を皇室財産に収め、陸海軍全部を皇室財産でまかなうことを主....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
座にて尾上梅五郎は名題に昇進し、四代目尾上松助と改名す。 ○八月二十五日、北海道
官有物払い下げ問題について、福地源一郎、沼間守一らが、新富座において、政談演説会....
「ワーニャ伯父さん」より 著者:神西清
捜してもないような、模範的な庭と、苗木の林をごらんに入れます。うちの地所の隣に、
官有林がありましてね。……そこの森番が年寄りで、おまけに病気ばかりしているもので....