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官服
「官服〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
官服の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
て来た連中はざっと三十名ばかり、差入れの着物や洋服などのいわゆる私服を持たぬ青い
官服の囚人姿の者がその大半だったので、一眼見るなり拘置所からの脱走者だと判った。....
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
ではない。亜字《あじ》模様に至ってはますます複雑である。亜字は支那《シナ》太古の
官服の模様として「取臣民背悪向善、亦取合離之義去就之義」といわれているが、勧善懲....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
もとよりすべての事が民衆化しつつある事は云う迄もないが、これにカブレて軍人までが
官服を嫌うようになったそうである。そのような思想の変化が学生の鳥打帽となって現わ....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
嫌になった。彼は詰らない窃盗事件だと云ったけれども、内心では得意だったのである。
官服の巡査から私服の刑事に出世してから一年間、若い彼の心は野心に燃えていたけれど....
「愚人の毒」より 著者:小酒井不木
はまた年齢と正比例をなす経験のせいか、いっこう昂奮した様子も見えず、ただその白い
官服のみがいやにきらきらとしているだけである。まして、科学者である片田博士のでっ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
本を売りますよ。気吹の舎の著述なら、なんでもそろえてありますよ。染め物のほかに、
官服の注文にも応じるしサ。まあ商売をしながら、道をひろめているんですね。」 「へ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
そんなさわぎのうちに、とうとう不幸な半裸体の警官が見つかった。彼は、すっかり
官服も帽子も奪いとられて、草むらに倒れていた。課長以下は、すぐさま手あつい介抱を....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
金も無くなりただ昔の名義で扶持を貰っている者である。呉服商は、朝廷へ参内する時の
官服などを命ずる者である。こういう出入の者等には、留守居としては毎月一回はちょっ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
服の下に不安らしく震えており、後ろの男は、古風な役人ふうな姿をして、フロック型の
官服をつけ頤《あご》の所までボタンをはめているのが、見て取られたろう。
読者が....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
同じだが、甚八の代りには花廼屋がニヤリ/\と鼻ヒゲをひねって坐っている。廊下には
官服私服の警官がジッと見物しているのである。 さて階下の台所では、今しも千代が....
「鴛鴦鏡」より 著者:岡本綺堂
るから、早く帰って保護していてくれ給え。」 野童をさきに帰して、わたしはすぐに
官服に着かえて出ると、表はもう眼もあけられないような吹雪になっていた。署へ行って....
「犬を連れた奥さん」より 著者:神西清
廊下から階段へ階段から廊下へと昇ったり降りたりして行った。二人の眼のまえには、法
官服や教師の服や御料地事務官の服をつけた人々が、思い思いの徽章を胸に、絶えずちら....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
ただそれは一個の屍体であった。傷がないばかりかその屍骸は掠奪されてもいなかった。
官服はもちろん懐中の金も一文も盗まれてはいなかった。そして屍骸の死に顔には「驚き....
「決闘」より 著者:神西清
かせようか――まずコーカサスへ行って、そこの土地と風習に馴れるまでは、とりあえず
官服を着て勤める。やがて自由の身になって、そこばくの土地を買い入れ、額に汗して働....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
に西洋|蝋燭を燈したるものが二十四|張ばかり吊してある。輦輿の中にシナの立派なる
官服を着け、頭にはいわゆる位階を表わしたる帽子を被ってジーッと坐り込んで居る。そ....