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「官界〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

官界の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
子爵が、今でこそ交際嫌いで通っているが、その頃は洋行帰りの才子《さいし》として、官界のみならず民間にも、しばしば声名を謳《うた》われたと云う噂の端《はし》も聞い....
或る女」より 著者:有島武郎
、第一流の実業家に成り上がるにきまっている。これからはなんといっても信用と金だ。官界に出ないのなら、どうしても実業界に行かなければうそだ。擲身《てきしん》報国は....
縮図」より 著者:徳田秋声
それとなく注意を払ったものだったが、彼自身の生活がそれどころではなかった。それに官界への振出しに、地方庁で政党色の濃厚な上官と、選挙取締りのことなどで衝突して、....
時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
ではなくて、博士が十五年前に装填した長期性時限爆弾に関して、問い合わせに殺到した官界財界その他ありとあらゆる職業部面の、概算三千人の群衆からのがれるためであった....
連環記」より 著者:幸田露伴
な人であっても、世間を危気無しには渡って行かれなかったろうと思われるから、まして官界の立身出世などは、東西|相距る三十里だったであろう。 斯様な人だったとすれ....
足のない男と首のない男」より 著者:坂口安吾
国のために暗涙を流したのもムベなるかな、今日つひに敗北し、戦争十年の日本の腐敗、官界軍閥の堕落のあとを眺めれば、郡山などは最もマトモな紳士であつたではないか。大....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
清朝は滅亡を早めたと云われている。 しかし今日の我々が「官場現形記」を読むと、官界の腐敗堕落の諸相は清朝のものではなくて、そッくり日本の現実だ。日本官界の現実....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ハッキリ分らないだけが難点である。こういうものも公開したらどうだろう。 政界、官界、財界などの裏面のカラクリというものは、巷談のタネではなくて、「真相」という....
頸飾り」より 著者:辻潤
官風情の私などが出席できるというのは、殆ど異例といってもよい位なものさ。とにかく官界の連中が総出というのだそうだからねえ」 彼女は焦燥たそうな眼つきをして、 ....
次郎物語」より 著者:下村湖人
田沼さんというのは、朝倉先生が学生時代から兄事し崇拝さえしていた同郷の先輩で、官界の偉材、というよりは大衆青年の父と呼ばれ、若い国民の大導師とさえ呼ばれている....
九段」より 著者:坂口安吾
、今や日蝕族のピントは日本を征服するに至るだろうと思われるほどである。つまり財界官界などのお歴々や会社官庁などがここのいくつかの広間を碁会に使用するに至って、彼....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
テスクではあるがバカバカしいだけの存在だ。こんな笑止な化け物にくらべれば、政界、官界、実業界、教育界、宗教界、文壇、学界、もっと妖しく実害のある大化け物は他のど....
鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
の貴重な秘庫を民間奇特者に解放した一事だけでも鴎外のような学術的芸術的理解の深い官界の権勢者を失ったのは芸苑の恨事であった。 鴎外は早くから筆蹟が見事だった。....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
冷め、その時分は最早以前の東方策士|形気でなくなっていたから、矢野の厚意に縋って官界なり実業界なりに飛込む気にはなれなかった。元来が軍人志願の漢学仕込で、岳武穆....
情鬼」より 著者:大倉燁子
ねえ、だからもう少し待って下さい。云い逃れをするんじゃありません。僕が隠退して、官界を退き自由な身になるまで――』 『自由な身になるとまた何か云い分が出来るんで....