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官舎
「官舎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
官舎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
いってだれにでも自分の喜びを披露《ひろう》したいような気分になっていた。検疫官の
官舎の白い壁も、そのほうに向かって走って行くモーター・ボートも見る見る遠ざかって....
「火事とポチ」より 著者:有島武郎
き声もよく聞こえていた。
ぼくの家は町からずっとはなれた高台《たかだい》にある
官舎町《かんしゃまち》にあったから、ぼくが「火事だよう」といって歩いた家はみんな....
「星座」より 著者:有島武郎
った。園はそれをも快く思った。
「だから今日の英語は休みたいからといって、今朝白
官舎を出る時この手紙を頼まれてきたんですが……」
そういいながら園は内|衣嚢《....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
手の理智と聰明さに惹《ひ》かれてしまったのである。しかし、初めのうちは隧道ぎわの
官舎に住み、そのうちこそ、二人だけの世界を持っていたのだったが、ちょうど結婚後一....
「灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
ンクリートの門をくぐって明るい灯台の構内へ入った。向って右側に並んだ小さな三棟の
官舎や左側の無電室には、明るい灯がともっているが、真ン中の海に面した灯台の頭は真....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
彼女と向い合って立ったのはただ次の場合の一度だけだった。 僕は父の使いで署長の
官舎へ手紙を持って行った。玄関で取次ぎを乞うと、ふいと彼女が出て来た。彼女も僕も....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
やったそうです。 鬼兄弟 軍将の陳守規は何かの連坐で信州へ流されて、その
官舎に寓居することになりました。この
官舎は昔から凶宅と呼ばれていましたが、陳が来....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
子昂は和州の太守に任ぜられた。やがて淮上の乱も鎮定したので、独身で任地にむかい、
官舎に生活しているうちに、そこに出入りする美婦人と親しくなって、女は毎夜忍んで来....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
ぎこんだか知れない。 何でも懐かしい。ことに世間のものは懐かしい。たぶん看守の
官舎のだろうと思われる子供の泣声。小学校の生徒の道を歩きながらの合唱の声。春秋の....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
っかかっていた。 それを発見したのは、早起きをして崖《がけ》っぷちで遊んでいた
官舎《かんしゃ》の子供たちだった。それからみんなに知れわたって、騒ぎは絶頂《ぜっ....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
お連合いは林学士で、ある地方の小林区署長を勤めていらっしゃるのでございます。その
官舎はなんでも山の中の寂しいところで、近所に人家などは一軒もないような、寂しいの....
「「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
けの事しかない。すると、月のない夜がもっけの倖いとなり、ふらふら彷徨ううちに隊長
官舎のそばへ出た。巨きな、腕ほどもある胡瓜の蔭に、ちらっと灯がみえる。窓はあけ放....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
たが、蘇州の庭園のいいところなどをみせてあげようという話であった。そこでその人の
官舎へ来るようにとのことだったので、蘇州のしげの家という日本宿に落着いてから、や....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
る。それから一町ばかり進みますと中に一町半四面程の垣がある。その垣の外には石造の
官舎が沢山に建って居る。それは僧官の住するところである。その僧官の住舎もなかなか....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
の地点にありて、欧州最北の港たるはもちろん、世界最北の都会なり。人口二千三百人、
官舎、寺院にいたるまでみな木造なり。全市漁業に従事し、魚類を乾燥して輸出す。ゆえ....