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「官衙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

官衙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
武蔵野」より 著者:国木田独歩
がある。しかしこれはむろん省《はぶ》かなくてはならぬ、なぜならば我々は農商務省の官衙《かんが》が巍峨《ぎが》として聳《そび》えていたり、鉄管事件《てっかんじけん....
冬の日」より 著者:梶井基次郎
の頭には彼にしばしば現前する意志を喪った風景が浮かびあがる。 暗い冷たい石造の官衙《かんが》の立ち並んでいる街の停留所。そこで彼は電車を待っていた。家へ帰ろう....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
狭い専門に係る研究なので、来ている研究生たちは、大概就職の極っている水産物関係の官衙や会社やまたは協会とかの委託生で、いわば人生も生活も技術家としてコースが定め....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
は無い。権力の前には彼等は頭が上がらない。「田家衣食無厚薄、不見県門身即楽」で、官衙に彼等はびく/\ものである。然し彼等の権力を敬するは、敬して実は遠ざかるので....
丸善と三越」より 著者:寺田寅彦
い息切れと興奮を感じるのである。 階段を上って右側に帳場がある。ある人はこれを官衙の門衛のようだと言ったが、自分もどちらかと言えば多少そんな気がしないでもない....
一つの思考実験」より 著者:寺田寅彦
、そういうものに世人の多くが迷わされて深入りしない前にそれらの真価を探求したい。官衙や商社における組織や行政の不備や吏員の怠慢に対しても犀利な批評と痛切な助言を....
函館の大火について」より 著者:寺田寅彦
関する若干の調査をしたいと思い立って、目ぼしい山火事のあったときに自分の関係の某官衙から公文書でその山火事のあった府県の官庁に掛け合って、その山火事の延焼の過程....
地図をながめて」より 著者:寺田寅彦
は首都の枢要部をことごとく地下に埋めてしまうという方法を考えたことがある。重要な官衙や公共設備のビルディングを地上百尺の代わりに地下百尺あるいは二百尺に築造し、....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
事を認めた。 「私は助かりました。会社の在庫品が一つ捌けましたので。」 会社|官衙の昼間の勤めをすませて、夕方早く家に帰って来べきはずの良人が、途中でぐれて、....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
役所を離れた禅寺などが、官吏道場などに選ばれたわけだ。新しい吏道の道場は、恐らく官衙そのものでなければなるまいに。 でこのように、吏道なるものを精神的に、子曰....
雑記(Ⅱ)」より 著者:寺田寅彦
のをぼんやり呑気に見ているような暇がないのだろうと思ってみた。もっとも向う河岸の官衙の裏河岸を見るとかなり立派な役人達で呑気そうに見物しているのも大勢居た。河一....
雑記(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
、そこに人間としての感情がはいるからどうも事が六かしくなる。 物質だけを取扱う官衙とちがって、単なる物質でない市民乗客といったようなものを相手にする電気局は、....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
る。 二条のお城を中心にして、東御奉行所や西御奉行所や、所司代などのいかめしい官衙を、ひとまとめにしているこの一画は、わけても往来の人影がなくて、寂しいまでに....
妖怪報告」より 著者:井上円了
七歳にして没す。妻あり一男を産む、成長す。当時家族五人、予や明治十二年以降、某|官衙に微官を奉ず。しかして、明治十九年二月二十日、公務を担い、奉職の官衙を去る十....
くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
ったのに相違ない。なお言わば、京都の市街が出来て後にこそ、また附近の平地が大抵|官衙や富豪その他一般民衆によって占領せられて後にこそ、その地において生活の道を求....