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「官途〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

官途の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
かし、それにもかかわらず、彼が役人を待たせておくように命じたのは、もうずっと前に官途を退いて、田舎の家に引っこんでいた友人に、自分のところでは役人がどんなに長く....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
総登城する定例なのでした。 一国一城のあるじにしてすでにそうであるから、およそ官途《かんと》にある者のすべてが、下は上へ、上はそのまた上へと、一年一度の義理を....
道草」より 著者:夏目漱石
》に事業の上で完成した後《あと》、彼の手元に二万円ほどの剰余金を委《ゆだ》ねた。官途に縁がなくなってから、不如意に不如意の続いた彼は、ついその委託金に手を付けた....
」より 著者:夏目漱石
自分に対する謀《はかりごと》を忽《ゆる》がせにはしなかった。彼は大学を出てから、官途につこうか、または実業に従おうか、それすら、まだ判然《はっきり》と心にきめて....
近時政論考」より 著者:陸羯南
を一変せり。かの一派の民権論者は西郷の敗亡とともにほとんどその跡を絶ち、あるいは官途に入り、あるいは実業に従い、またあるいは零落して社会の下層に沈没し去れり。快....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
に出入し多くの寵を蒙ったが、蘇我氏亡びて親政となるや冗官を廃する意味において忽ち官途を止められた。爾来民間の一勢力として人民に施術をしていたが、時勢移って藤原氏....
続黄梁」より 著者:田中貢太郎
という者の世話になったことを思いだして、自分は今こんなに栄達しているが、渠はまだ官途につまずいていて昇進しないから、一つ引きたててやらなくてはならないと思って、....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
隆年間の進士で、各地方の知県をつとめて評判のよかった人でありますが、年四十にして官途を辞し、江寧の小倉山下に山荘を作って小倉山房といい、その庭園を随園と名づけま....
阿霞」より 著者:田中貢太郎
「私たち二人の間は佳いのですけど、いってみると馴れあいですからね。私のお父様が官途に就いて、西域の方へいくことになって、明日お母さんを伴れて出発するのですから....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
おまけに、都会の風が身にしみてゾッコン好きであるから、御一新になると同僚はみんな官途について、肩で風をきる中で、この男は志を立て、さる戯作者の門に弟子入りして、....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
東京専門学校に入って、政治学をやったが、二十三年学校を出ると、友人たちはたいてい官途についたものであった。しかし、私はどうしても俸給生活をするのが嫌で、というの....
江木欣々女史」より 著者:長谷川時雨
該博な、鋭い斬れ味を示すものだった。だが、今を時めく、在野《ざいや》の法律大家、官途を辞してから、弁護士会長であり法学院創立者であり、江木刑法と称されるほどの権....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
かも藩閥政府の全盛時代で、いわゆる賊軍の名を負って滅亡した佐幕派の子弟は、たとい官途をこころざしても容易に立身の見込みがなさそうである。そういうわけで、父はわた....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
のが明治二十二年の夏であって、これから以後の数年は生活の保障に漸く安心して暫らく官途に韜晦し、文壇からは全く縁を絶って読書に没頭する事が出来た。 露語の両川・高....
頸の上のアンナ」より 著者:神西清
、あなたが酒をよされぬ限りこの上二度ともう御援助は致し兼ねますな。いやしくも職を官途に奉ずる男子として、あなたのような薄志弱行は実に恥ずべきことですよ。このよう....