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宙に浮く
「宙に浮く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
宙に浮くの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
る、最後の努力に成功した、と思うと時ならない風が、さっと若者の顔を払って、足さえ
宙に浮くが早いか、あたりが俄《にわか》に暗くなって、ただ一しきり火花のような物が....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、これはあまり度が強過ぎる。
人間の生首が四つ、ずらりと宙に浮いているのです。
宙に浮くと言っても、幽霊として現われたのではない。足はないけれども、台はあるので....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
上へ、ひょろひょろと頬を掠めると思うと――(今もおくれ毛が枕に乱れて)――身体が
宙に浮くのであった。 「ああ!」 船の我身は幻で、杭に黒髪の搦みながら、溺れて....
「梟の大旅行」より 著者:林芙美子
。板のつるつるした床を歩いているうちに、ふっと羽根を擴げてみました。何となく躯が
宙に浮くのです。自分で自分の飛行術に自信がなかったのですが、急に私は夢中で飛びま....
「新たな世界主義」より 著者:豊島与志雄
ることは、周知の通りである。――知識階級の若い人々の熱烈な政治論議が、往々にして
宙に浮くのは、この民衆の智慧を見落していることに由来するのではあるまいか。 世....
「お奈良さま」より 著者:坂口安吾
。腹がキリキリ痛んでくる。口からオナラが出そうになる。アブラ汗が額ににじむ。足が
宙に浮く。たまりかねると、人も犬もいないような路地にかくれて存分にもらす。結局も....
「村井長庵記名の傘」より 著者:国枝史郎
六人の同勢である。 「姐御はお止し、太夫さんだよ」 云い捨て駕籠へポンと乗る。
宙に浮く女駕籠。サッサッサッと足並を揃え、深夜の町を掠めるがように、北を指して消....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
えました。 瓜番小屋は、ああ、ああ血の池に掛けた、桟敷のように、鉄が煙りながら
宙に浮く。……知らなかった。――直き近い処にあったのです。 (きれいな黒子だな、....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
浮かんで、ふらふらとゆれているではないか。女の子は、びっくりした。世にもふしぎな
宙に浮く鉄棒を追って、おじさんはステッキでその鉄棒を、たたき落とそうとした。 ....
「グーセフ」より 著者:神西清
記念」を唱和する。 当直番が板の端を持ち上げる。グーセフは辷り落ちて、真逆様に
宙に浮く。それからもんどり打って、ぼしゃんと行く。泡に蔽われて、一瞬間はまるでレ....