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「宙釣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

宙釣の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
城のある町にて」より 著者:梶井基次郎
ってつけたように勝子が言った。言い方がおもしろかったので皆笑った。―― 美人の宙釣り。 力業《ちからわざ》。 オペレット。浅草気分。 美人胴切り。 そんな....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
るのを張合いにして、がんばり入道、ずばい坊、鬼火、怪火、陰火の数々。月夜の白張、宙釣りの丸行燈、九本の蝋燭、四ツ目の提灯、蛇塚を走る稲妻、一軒家の棟を転がる人魂....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
、中天に冴えて来た月光を含む水煙がほの白く立ち籠めかかった湖面に一|艘の船の影が宙釣りのように浮び出して来た。艫の音が聞えるから夢ではない。近寄って艫を漕ぐ女の....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
逆立し、或は飜筋斗返りし、斜立したるまま静止し、又は行歩し、丸太転び、尺蠖歩み、宙釣り、逆釣り、錐揉み、文廻し廻転、逆反り、仏倒し、うしろ返り、又は跳ね上り、飜....
支那米の袋」より 著者:夢野久作
妾がヤングからいじめられる役で、首をもうすこしで死ぬとこまで絞められたり、縛って宙釣りにされたり、髪毛だけで吊るされたりして、とても我慢出来ない位、苦しかったり....
鼻の表現」より 著者:夢野久作
かって差し支えないようであります。 大袈裟なところでは眉が逆立ちをしたり、眼が宙釣りになったり、口が反りくり返ったりします。デリケートなところでは唇がふるえた....
大空魔艦」より 著者:海野十三
る。 針金がだんだんのばされるのだ。針金一本が丁坊の生命の綱だ。 おそろしい宙釣りとなった。ぱたぱたと板のように硬い風が、丁坊の頬をなぐる。そして身体はゴム....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
も、侠客も、白浪も、雲助も、その空想と郷愁と共にこうして種まかれたのだ。私はあの宙釣りから狐忠信があらわれて、静御前の美しい旅姿とデュエットで舞う夢のような場面....
だいこん」より 著者:久生十蘭
てくる。へんなひともあるものだと見ているうちに、挽肉とマカロニは湯気をたてながら宙釣りになった。 パリ時代には絵具のついたブルーズか、衿に石竹の花をつけたタク....
線香花火」より 著者:中谷宇吉郎
である。この日本紙の紙撚というのも重要な意味があるのであって、沸騰している火球を宙釣りにして保つには紙がなかなか大切なのである。薄い西洋紙で線香花火を作ってみた....