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定め
「定め〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
定めの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
へはいった。寺は後ろの松林の間に凪《な》いだ海を見下《みおろ》している。ふだんは
定めし閑静であろう。が、今は門の中は葬列の先に立って来た学校の生徒に埋《うず》め....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
らけな足の毛が、斜めに眉《まゆ》の間をなでた。切ろうにも突こうにも、どれと相手を
定める事ができない。前を見ても、後ろを見ても、ただ、青くかがやいている目と、絶え....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
も容易に眠くはならなかった。雨戸の外では夜鳥《よどり》の声が、遠近《えんきん》を
定めず私を驚かした。その声はこの住居《すまい》の上にある天主閣《てんしゅかく》を....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
。元よりそれも少納言殿の御内のものなら、己《おの》が忠義に捨つる命じゃによって、
定めて本望に相違はあるまい。が、さもないものがこの中にあって、わずかばかりの金銀....
「河童」より 著者:芥川竜之介
にも妙をきわめていたということです。
僕は一週間ばかりたった後、この国の法律の
定めるところにより、「特別保護住民」としてチャックの隣に住むことになりました。僕....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
も、何かと便宜が多そうであった。そこで彼等はまず神田の裏町《うらまち》に仮の宿を
定めてから甚太夫《じんだゆう》は怪しい謡《うたい》を唱って合力《ごうりき》を請う....
「古千屋」より 著者:芥川竜之介
《ほんだまさずみ》のいったように大きい両眼を見開いていた。
「これで塙団右衛門も
定めし本望《ほんもう》でございましょう。」
旗本の一人、――横田甚右衛門《よこ....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
た。しかしその時も相打ちではなかったのかもわかりませぬ。あるいは先後《せんご》を
定めるのに迷って居ったのかもわかりませぬ。いや、突のはいったのは面に竹刀を受ける....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
紙が、覚束《おぼつか》なく光っているので、知れたのである。
李は、これだけ、見
定めた所で、視線を、廟の中から外へ、転じようとした。すると丁度その途端に、紙銭の....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
つれづれ草
わたしは度たびこう言われている。――「つれづれ草などは
定めしお好きでしょう?」しかし不幸にも「つれづれ草」などは未嘗《いまだかつて》愛....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
後《うし》ろ鉢巻《はちまき》をした上、薙刀《なぎなた》を習ったと云うことを聞き、
定めしそれは牛若丸《うしわかまる》か何かに似ていたことだろうと思いました。もっと....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
《みけん》へ閃《ひらめ》いた。そのために血が眼へはいって、越中守は、相手の顔も見
定める事が出来ない。相手は、そこへつけこんで、たたみかけ、たたみかけ、幾太刀《い....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ような小使風の仕事をするばかりでなく、礦物の標本を順序よく整理したりして、覚書に
定めてあるより以上の高い地位を占めているつもりで働いた。 ファラデーが助手にな....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
たのはお客や芸者を乗せたモオター・ボートである。屋根船や船宿を知っている老人達は
定めしこのモオター・ボートに苦々しい顔をすることであろう。僕は江戸趣味に随喜する....