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定価
「定価〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
定価の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
ルプ・ウイスキーだった。四条のある酒場へ行くと、顔で一本八十円でわけてくれる。公
定価格は三円五十銭だが、それでも一本八十円のウイスキーは安い。死んだという噂もき....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
《かきと》って、事は足りたのであるが、皆《みんな》が持ってるから欲しくてならぬ。
定価がその時|金《きん》八十銭と、覚えている。 七 親父はその晩....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
ないので、物価がズット上ったよ。 だから、自動車なぞは、僕がドイツへ来た時は、
定価の八倍に上った時だったが、此の頃は又急に十五倍にね上げをした。それでも、日本....
「橋」より 著者:池谷信三郎
で、静かな小夜曲を奏していた。若い女中が奥さんの眼をかすめて、そっと高砂の式台の
定価札をひっくり返してみた。屋上庭園では失恋者が猿にからかっていた。喫煙室では地....
「男女関係について」より 著者:大杉栄
諸君に広告して置くが、前に野枝さんの手紙に出ている、はなはだおやすくない、ただし
定価のことでない、僕の論文集『生の闘争』の中の「羞恥と貞操」および『社会的個人主....
「露肆」より 著者:泉鏡花
、誰方様のウお邸でもウ、切ものに御不自由はございませぬウ。このウ細い方一挺がア、
定価は五銭のウ処ウ、特別のウ割引イでエ、粗のと二ツ一所に、名倉の欠を添えまして、....
「現代の詐術」より 著者:坂口安吾
現今のような唯物的な人間関係の方が生き易い。タバコを横流しにするなら、人情的に公
定価で売るよりも、ハッキリとヤミ値で売ってもらう方がいゝ。どっちも罪悪であるが、....
「感想家の生れでるために」より 著者:坂口安吾
ある。まったく、苦心、痛々しい。そんなにまで、苦心、発案、皿に一山ずつ盛り分けて
定価をつけるようなことをして、御本人は文学を割り切って清々しているのかも知れない....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
いような様子にさえ見えた。 「私は図書館で実物を見てるんです。近年でたばかりで、
定価五銭と印刷してあったかしら。非売品となってましたかしら」 彼は泣きそうにな....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
を転嫁している。子供は口実として他に罪を転嫁しても実は罪の意識に苦しむが、親は公
定価格の修身の教えにもたれ、人からも自分からも罪を責められない。 さて少年は男....
「バットクラス」より 著者:岡本かの子
高級品店から売出し前に強奪した自然絹だ。その代り××高級品店はスワンソン夫人から
定価以上の小切手を強奪した。この二重の強奪が行われているスワンソン夫人のピジャマ....
「米」より 著者:犬田卯
とにかく現物さえあるんなら、何も問題ではねえが……で、一叺いくらなんだ。」 「公
定価額だよ」と唇を突出して言いながら、塚屋は懐中から小さい算盤を出して斜めにかざ....
「罠に掛った人」より 著者:甲賀三郎
が並べられて、そのどれもが、友木が一月に一度も手に入れる事の出来ないような金額の
定価がついていた。十一時近かったけれども、空風に裾を捲くられながら、忙しそうに歩....
「ハイカラ考」より 著者:木村荘八
の日附は「明治三十四年十月四日」である。 滑稽なる日本 全一冊 彩色表紙
定価郵税共金二十銭 著者は「滑稽」の二字、我社会の総べてを形容し得可しとなし、而....
「握り寿司の名人」より 著者:北大路魯山人
。千成はデパートに真似て寿司食堂を造り、数多くのテーブルを用意し、一人前何ほどと
定価のつく皿盛寿司を売り出した。この手は安直本位なので、世間にパッと拡がってしま....