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定刻
「定刻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
定刻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
で催される『城』同人の音楽会へ行った。音楽会は準備が整わないとか云う事で、やがて
定刻の午後六時が迫って来ても、容易に開かれる気色《けしき》はなかった。会場の次の....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
ト》を張り渡したに過ぎなかった。が、その蓆敷《むしろじき》の会場には、もう一時の
定刻|前《ぜん》に、大勢《おおぜい》の兵卒が集っていた。この薄汚いカアキイ服に、....
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
受けとったからだった。 二人は急行コンベーヤー移動路を巧みに乗りかえて、やっと
定刻までにアリシア区に帰ってきた。「博士コハクの姿が見えないが、どうされたんだろ....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
。もしそうなれば、職権上そのまま看過しがたいところである。 折角速い車を駆って
定刻にうまく滑りこみながらも、花道で飛んだ思い入れ沢山の芝居を演じたため、ハッと....
「階段」より 著者:海野十三
え始めたが、一向に纏りはつかず、考えれば考えるほど、今日の帰り路は、どう取って、
定刻までに信濃町まで出たものかと、そればかりが気になりだした。ところへヒョックリ....
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
に拾われることを信じ乍らも万一他の御用聞きなぞに拾われることをも覚悟の中に入れて
定刻二分前に門前十歩ほどの路上に其の三角形蟇口を落しておきました。そして直ぐさま....
「海底大陸」より 著者:海野十三
滞在中の長良川博士との間に無線電話が取りかわされることになった。 いよいよその
定刻だった。 呼び出し信号はブウブウブウブウと、しきりに鳴った。と、やがて聞こ....
「断層顔」より 著者:海野十三
、いつものように地上室の寝床の上に目をさました。 美人の人造人間のカユミ助手が
定刻を告げて起こしに来たからである。 「――そして先生。今日は人工肺臓をおとりか....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
捜査を発展させる必要が出来たからである。 帆村荘六も、やはり案内を受けたので、
定刻になって旗田邸へ入った。 長谷戸検事が、いつものように捜査進行の中心にいた....
「鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
と遅れ、二三十分も後になって、この部屋へ巡ってくる筈だった。ところが、例の不吉な
定刻にわざわざ合わせるようにして、この第三十九号室へ入ってきたというところから考....
「東京要塞」より 著者:海野十三
へいった。 私服刑事からなる別動隊は、帆村の行動を遠方からじっと見守っている。
定刻の午前六時になった。 「変だなあ、誰も来ないじゃないか」
定刻になっても、....
「瘤」より 著者:犬田卯
会議がやって来た。それは霙の降るいやに寒い日で、田辺定雄は外套の襟をふかく立て、
定刻に役場の門をくぐったのであったが、少なくとも何の議案もない平常と違って、今日....
「仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
しかしどうしたわけか、喜助の注文どおりに中々爆発は起らなかった。最初に算出した
定刻を五分十分と過ぎて行ったが、彼の腹部もまだ安全であった。喜助はすこし調子ぬけ....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
を豪がる事はないさ、」と平気な顔をして、明け方トロトロと眠ると直ぐ眼を覚まして、
定刻に出勤して少しも寝不足な容子を見せなかったそうだ。 鴎外は甘藷と筍が好物だ....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
、というていたが、今後なお五時間もかからねば、目的地に達する事が出来ぬのに、はや
定刻を過ぎているので、すぐ東に分れ、くだんの谷を下り、温泉へと霧の裡に影を没し去....