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定命
「定命〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
定命の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
》もおくんなすってね、善《い》い人で、惜まれる人は早く死ぬと云うが、五十五じゃア
定命《じょうみょう》とは云われねえ位《くれえ》で嘸お前さんもお力落しで、新吉|此....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
と、明暮燃えさかる心を、じっと抑えて来たのじゃが、われらも今年四十五じゃ。人間の
定命《じょうみょう》はもう近い。これほどの恋を……二十年来忍びに忍んだこれほどの....
「鎖工場」より 著者:大杉栄
と覚った。 こいつらは恐ろしい Panlogists だ。そして恐ろしい機械的
定命論者だ。自分等の理想している新しい工場組織が、経済的行程の必然の結果として、....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
身様などは、まだいい。御身様は、物心ついた七歳の時から四十七歳の今日まで、人間の
定命を敵討ばかりに過した者の悲しみを御存じないのじゃ」 そういったかと思うと、....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
長し自由になった個性の拡充を指しているのだ。愛なきが故に、個性の充実を得切らずに
定命なるものを繋いで死なねばならぬ人がある。愛あるが故に、個性の充実を完うして時....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
ならば、高貴のお方は百年も長命する筈だが、そうはならない。公方様でもお大名でも、
定命が尽きれば仕方がない。金の力でも買われないのが人の命だ。人参まで飲ませても癒....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
警官の一行は案内の人夫に連れられて、空地の前に立った。 同じ人間に生れて同じく
定命つきて永劫の眠りについても、或者は堂々と墻壁を巡らした石畳の墓地に見上げるよ....
「運命」より 著者:幸田露伴
然として悟り玉えりとなり。此等を思えば、数無きに似たれども、而も数有るに似たり。
定命録、続
定命録、前定録、感定録等、小説|野乗の記するところを見れば、吉凶禍福は....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
衞門の娘じゃアないか、幾許|零落ても、私は死んでも生先の長いお前が大切で私は最う
定命より生延びている身体だから、私の病気が癒ったって、お前が不具になって何うしま....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
と見えとうとう山吹は病気になった。五歳になった猪太郎が必死となって看病はしたが、
定命と見えて日一日と彼女の体は衰えて行き死が目前に迫るように見えた。 ある日彼....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
三十七 烏が一羽|歴然と屋根に見えた。ああ、あの下|辺で、産婦が二人――
定命とは思われぬ無残な死にようをしたと思うと、屋根の上に、姿が何やら。 この姿....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
ものだ、寿命が尽きたら幾ら助かりてえと思ってもだめだ、ハアどんな火の中水の中でも
定命の有るうちは死なねえもんだから、殺すなら殺すともどうとも勝手にしたがいゝ、だ....
「土の中からの話」より 著者:坂口安吾
であった。 「これはとても駄目だ。もう薬をあげたところで、どうなるものでもない。
定命は仕方のないものだから、心静かに往生をとげるがよい。それに就ては、お前さんの....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
じいと、明暮燃え熾る心をじっと抑えて来たのじゃが、われらも今年四十五じゃ、人間の
定命はもう近い。これ程の恋を――二十年来|偲びに偲んだこれ程の想を、この世で一言....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
皆様が来ちゃア、やれこれ云っておくんなさるので、はい、誠に有難うごぜえます、私も
定命より余程生き延びて居りますから、もう死んでも惜しくねえ身体ですが、只た一人の....