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「定型〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

定型の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
映画時代」より 著者:寺田寅彦
吉」にしても同様であった。 これらの邦劇映画を見て気のつくことは、第一に芝居の定型にとらわれ過ぎていることである、書き割りを背にして檜舞台《ひのきぶたい》を踏....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
が見え始めているかと思うと、他の方面では精緻な構造をもっていた諸太陽系が、再び不定型のガス団となって空間に拡散されている。しかも、この「自然」の仕事はちょうどか....
火山の名について」より 著者:寺田寅彦
この型の火山名の数nは N(VC)÷Q になるはずである。しかるに実際にはこの特定型のものがm個あるとする(アソの場合では m = 4 )。さすれば R = 実....
自然界の縞模様」より 著者:寺田寅彦
だ充分な解釈を下すに至らなかった。しかしこの物の形の基礎には立体的正多面体の基本定型が伏在していて、条件によってその中の格好なものが成長の萌芽となるであろうとい....
科学と文学」より 著者:寺田寅彦
とんど問題にも何もならないことであって、それらの仮想人物によって代表された人間の定型と、叙述された事件の定型はたしかに存在したのである。これはあらゆる「史実」よ....
映画雑感(Ⅱ)」より 著者:寺田寅彦
その助手のばあさんがある。自分の目にはこの二人のばあさんがもっとも理解しやすい「定型」として現われる。この二人の憎まれ役は、おそらく見ようによってはもっとも善良....
ジャーナリズム雑感」より 著者:寺田寅彦
って記述されていたのである。 この二つの実例から見ても新聞記事にはちゃんとした定型が確立されていて、いかなる場合にでもそれを破ることが禁ぜられているらしく思わ....
映画雑感(Ⅳ)」より 著者:寺田寅彦
全編の基調をなしているようである。どうもこういうのが近ごろのアメリカ映画の一つの定型であるらしい。たとえば「白衣の騎士」などもやはり同じ定型に属するものと見るこ....
志賀直哉に文学の問題はない」より 著者:坂口安吾
れたところで、異とするに足らない。一国一城のアルジがタムロする文壇の論説が一二の定型に統制されたら、その方が珍であろう。奇説怪説、雲の如くまき起り、夜鴉文士や蝮....
あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
明はできないけれども、原作の韻文は定石どおりの十二音綴のアレクサンドランで、この定型詩のリズムはそのまま日本語に伝えるわけにいかない。そこで、翻訳者は、芝居のセ....
詩語としての日本語」より 著者:折口信夫
上を経ているけれど、やはり日本の詩壇は、依然として象徴詩の時代である。 存外早く定型律破壊を唱導する所謂破調の詩の時代が来た。この長い年月に整理すべきものは整理....
緑色の太陽」より 著者:高村光太郎
の権威をもたしめたいと考えている。日本の自然を薄墨色の情調と見るのが、今日の人の定型であるらしい。すべて曇天の情調をもって律しようとしているようである。春草氏の....
墓地の殺人」より 著者:小酒井不木
と、けっして油断のならぬ顔だよ。伊太利の有名な犯罪学者ロンブロゾーの著書の中に、定型的な犯罪者の顔としてこのとおりの顔が載っているよ。 額の狭いところといい、....
料理芝居」より 著者:北大路魯山人
のでは、走る感じが出ない。 それと同じ心で、料理屋の料理は、家庭料理を美化し、定型化して、舞台にかけるところの、料理における芝居なのである。ただし、これが名優....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
ろうことも注意されてよいことなのである。現象的に見ても、長歌・短歌・旋頭歌などの定型詩形が並び存しておりながら、短歌だけが圧倒的に多くて、他の詩型は間もなく消え....