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定席
「定席〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
定席の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「オリンポスの果実」より 著者:田中英光
く達にとって、文字どおり、ドリイミング・コオスといった感じです。艇《てい》は、固
定席《フィックス》が滑席艇《スライデング》に移るまえにあった。ドギュウと日本では....
「電気看板の神経」より 著者:海野十三
は、はりこんでいる刑事の間を、すれすれにくぐりぬけてきたことも知らずに、いつもの
定席に腰を下した。すると奥から鈴江があたふたと出て来るなり岡安の前へペタンと坐っ....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
ったろうからだ。さて之を除けば、あとの現代青年が如何に弱い無能力者として社会的指
定席にうずまっているかが判ろう。 現代青年の心理を現象的に分類することは、どう....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
ます。じぶんで切符買うから、ローリイにめいわくかけません。」 「あたしたちのは指
定席よ。と、いって、あなた一人はなれていられないしさ、そうすると、ローリイがじぶ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
られるか、少しもわからなかった。 祖父は管弦楽《オーケストラ》の後ろの第一列の
定席についた。彼は手摺《てすり》によりかかって、すぐにバスひきとのべつに話をやり....
「天皇陛下にさゝぐる言葉」より 著者:坂口安吾
我利でありたいとは思わない。 然し、特別に清掃され、新装せられた都市や農村の指
定席を遍歴するなどゝいうことは、これはもう、文化国に於ては、ゴーゴリの検察官の諷....
「桂馬の幻想」より 著者:坂口安吾
あるのがお前たちには判らないだけさ。お前はそこに坐って見ていなさい」 野村を指
定席に坐らせておいて、娘教祖は木戸の前に立った。 「ほら。ほら。ほら。ほらしょウ....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
涼しい朗かな眼――主税は稀に見る美青年であった。 その主税の秀麗な姿が、曲独楽
定席のこの小屋を出たのは、それから間もなくのことであり、小屋の前に延びている盛場....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
級の観客の趣味に、巧みに迎合させていた。講釈場もあれば水芸、曲独楽、そんなものの
定席もできていた。 曲独楽の
定席の前まで来て、浪之助はちょっと足を止めた。 ....
「豊竹呂昇」より 著者:長谷川時雨
の人であるといっても差支《さしつか》えないであろう。その実例は呂昇が上京のおりの
定席である、有楽座の座席を見渡せばすぐに知れる。はじめ有楽座が彼女を招いたおりの....
「艶色落語講談鑑賞」より 著者:正岡容
ができる。 昭和四、五年頃の秋の夜には、神田三崎町の三市場というやはり浪花節の
定席へ、怪賊五寸釘寅吉の看板がいと佗びし気に上がっていて、私は今は亡き詩友宮島貞....
「ジャズ狂時代」より 著者:小野佐世男
覧よ、おかげでワイシャツやぶいちゃったよ、なんてものすごい人だろう」 やっと指
定席に坐って汗をふいたのである。日本一巨大なる劇場といわれる国際が、立錐の余地も....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
賑《にぎわ》う八丁堀北島町《はっちょうぼりきたじまちょう》の路地には片側に講釈の
定席《じょうせき》、片側には娘義太夫《むすめぎだゆう》の
定席が向合っているので、....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
引換え、思いなしかあまり眼に立たなくなった。今では神楽坂演芸場の方が唯一の落語の
定席となったらしい。 そんな懐旧談をしていたら限りがないが、兎に角寺町の通りの....
「雷門以北」より 著者:久保田万太郎
べき何ものもわたしはもっていない。なぜなら、そこは、わたしが覚えて古い浪花ぶしの
定席だったから。――その時分わたしは、落語も講釈も義太夫も、すべてそうしたものの....